Adobeの生成AI技術を先取り公開 Adobe Summit 2024「Sneaks」のマーケティングツールを一挙解説(西田宗千佳)
キャンペーンをサクサクパーソナライズする「Project Get Personal」
さて、マーケティングキャンペーンの展開が楽になるのはいい。 一方でいまや重要になっているのは、「リーチする消費者に対し、いかにパーソナライズされたキャンペーンを届けるか」ということである。当然そのための分析ツールなどはあるわけだが、その結果を反映したマーケティングコンテンツを「楽に作る」ことが重要になってくる。 そのためのツールが「Project Get Personal」だ。 例えば顧客の好みを類推し、それにあった画像をFireflyで作り、さらに色や文字などを簡単に修正し、ウェブサイトに反映できる。
ブランドルールとの合致を「Project Brand Slam」でチェック
生成AIでコンテンツを作る速度が上がるのはわかる。だが実際に企業が使うには、自社のブランドロゴやコピーなどのルールに適合しているものでないといけない。いわゆる「カスタム学習」が企業向けには必須、と言われるのはそのためだ。 生成AIで作ったものをそのまま使うことは実際には少なく、結局人間が使えるものを精査することに違いはないのだが、その作業もできるだけ少ない方がいい。 というわけで、生成AIで作られたデータなどについて、企業の定めるガイドラインに合致しているかを確認するための技術が「Project Brand Slam」だ。 この技術も生成AIを使っているのだが、データを作る方ではなくチェックする方に使う。指定したブランドガイドラインから離れていた場合、自動的に修正を行う。 それでも人間の手による最終チェックは必要になるだろうが、なんでもかんでも責任者がチェックしなければならない状況を緩和することができそうだ。
西田宗千佳@TechnoEdge
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