（写真：HAB）

優れた番組に贈られる第２７回ものづくりネットワーク大賞の最優秀賞に、 北陸朝日放送が制作したドキュメンタリー番組、『沈黙の月「寺越事件」忘れられた母子』が、選ばれました。 「ものづくりネットワーク大賞」は、若手制作者の育成や制作力の向上を目指し、東京、大阪、名古屋、北海道、福岡を除く、テレビ朝日系列１９社の自社制作番組を対象に、アイデアや独自性、構成力などを審査します。 その結果、北陸朝日放送が２０２３年５月に放送したＨＡＢ報道特別番組、『沈黙の月「寺越事件」忘れられた母子』が、最優秀賞に選ばれました。 この番組は１９６３年に,志賀町から叔父２人と漁に出た当時１３歳の寺越武志さんが行方不明となり、２４年後に北朝鮮で生きていることが判明した「寺越事件」が題材です。およそ１６年にわたり、武志さんの母、友枝さんを取材してきた記者の目線で、 世間から忘れ去られようとしている「寺越事件」を伝えました。 選考委員は「長期取材によって得た厚みのある映像とともに記録して伝えていくことの意義とこの事件を風化させないという意思を強く感じる番組だった」と評価しました。 息子・武志さんに会うため、６６回もの北朝鮮訪問を重ねた母の友枝さんでしたが、２０２４年２月、９２歳で亡くなりました。