料亭時代の屏風13点 菜香亭20周年で特別展示【山口】
山口市天花1丁目の市菜香亭で、開館20周年記念の特別展示「料亭を彩る屏風(びょうぶ)」が開かれている。料亭時代に実際に飾られた屏風を前・後期で計13点並べ、来場者を楽しませている。10月28日まで。 同館は、2004年10月2日に市民交流と観光の拠点として開館。もともとは、山縣有朋や井上馨ら歴代の首相や政府の重鎮が利用した料亭で、1996年に閉店したが、その後市民から建物の利活用を求める声を受けて現在の形になった。 展示では、山水や花鳥が描かれ、結婚式や宴会の場を華やかにした屏風が並ぶ。目玉は縦172㌢、横380㌢の屏風を二つ組み合わせた六曲一双の作品「柳に孔雀・鳳凰図屏風」。雲谷等瓅作で、右に柳とつがいの白クジャク、左に柳と優雅に舞う白い鳳凰が描かれている。担当職員の吉岡志峰さんは「なかなか見れないお宝なので、ぜひ多くの人に足を運んでほしい」と来場を呼び掛けている。 5日にはオープニングセレモニーがあり、田中和人副市長が「すべての屏風が実際に飾られたもので、料亭時代の雰囲気がよみがえったようだ。開館20年を機にさらに市民に愛される施設にしていきたい」と伊藤和貴市長のメッセージを代読した。岡部達矢館長は「20周年を迎えるに当たり、料亭文化に焦点を当てた企画展を開催した。この歴史空間で多彩な伝統を楽しんでほしい」とあいさつした。 同施設では、特別展を皮切りに12月27日まで大内文化の紹介や放映中の大河ドラマ「光る君へ」に関する講演や展示などの記念イベントを行う。 屏風は10月に一部を入れ替える。開館時間は午前9時~午後5時。火曜休館。高校生以上100円、小・中学生50円。