青酸連続殺人・筧死刑囚の再審請求棄却 「新証拠」提出も確定審の判断認定【独自】
夫や内縁関係の男性計4人に青酸化合物を飲ませ、うち3人を殺害したとして殺人と強盗殺人未遂の罪に問われ、2021年に死刑判決が確定した筧(かけひ)千佐子死刑囚(77)が申し立てた再審請求で、京都地裁が請求を棄却する決定を出したことが5日、裁判所などへの取材で分かった。3月11日付。 【写真】筧千佐子死刑囚 関係者によると、筧死刑囚側は、殺人罪の被害者の1人で、内縁関係にあった日置稔さん=当時(75)、兵庫県伊丹市=の事件について、日置さんの死因が青酸中毒ではなく病死だったとする医師の鑑定書を「新証拠」として提出していた。 安永武央裁判長は決定理由で、この鑑定書の指摘を踏まえても、確定審で日置さんが病死だった可能性を否定した脳血管障害の専門医らの証言は信用性があると判断。搬送時の症状が青酸中毒によるものとして矛盾なく説明できるとした確定判決の判断は揺るがないと認定した。 筧死刑囚側は地裁の決定を不服として3月に即時抗告した。現在、大阪高裁で審理中。 確定判決によると、筧死刑囚は2012年3月~13年12月、遺産取得の目的で、日置さんら男性3人に青酸入りのカプセルを飲ませて殺害するなどした。 日置さんの事件の公判で、弁護側は、日置さんは遺体の司法解剖や毒物検査が実施されず青酸検出の事実がないことなどから、「病死や他の薬毒物が原因で死亡した可能性がある」などとして無罪を主張していた。殺害された他の2人からは青酸が検出されていた。