上司から嫌味を言われるのですが、本人は「イジリ」だと思っているようです。どこからが「パワハラ」になるのでしょうか。また、慰謝料は請求できますか?
今やパワハラ、セクハラ、マタハラなど様々なハラスメントが顕在化し、精神的苦痛を訴え出ることも珍しくない時代になりました。しかし、なかにはどこからがハラスメントに該当するのかを判断できず、我慢しながらモヤモヤする日々を送っている方もいるのではないでしょうか。 今回は、どこからがパワハラに該当するのか、パワハラの定義を見ていきましょう。そして、慰謝料の請求の有無、パワハラの対処法についても紹介します。仕事でミスをするたびに怒鳴られてしまい、出勤自体がつらいと思っている方はぜひ読んでみてください。
どこからがパワハラ?パワハラの定義
厚生労働省によると、以下の3つの要素をすべて満たすものを職場におけるパワハラの概念としています。 ●職場の地位や人間関係などを背景に、行為者に対して抵抗や拒絶が難しいと思われる関係で行われること ●業務の適正な範囲を超越して行われること ●身体的もしくは精神的な苦痛を負わせること、または職場環境を害すること 厚生労働省は、職場のパワハラについて挙げられたいくつかの典型的な例から、6つの行為分類型を発表しています。身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害です。 「身体的な攻撃」は、殴る、叩く、蹴るなどの直接的な暴力や、物を投げてくるなどの行為です。怪我の有無は関係なく、相手を恐喝し従わせようとしている時点でパワハラ行為に当てはまります。 「精神的な攻撃」は、業務に全く関係ない内容の暴言を吐いて、人格を否定するなどの行為です。 「人間関係からの切り離し」は、嫌がらせ目的で仕事から外したり、別室に隔離したりするなど、業務の流れを阻害する行為です。 「過大な要求」は、見せしめや罰として現状のスキルを超えた業務を押し付けたりする行為です。 「過小な要求」は、現状のスキルに見合わない単純作業や、業務に関係ない懲罰的な仕事を与えるといった行為です。 「個の侵害」は、プライベートに立ち入って管理しようとしたり、不適切な発言をしてプライバシーを侵害したりする行為です。