オートレーサー森且行「僕の中では、特別中の特別な存在です」ヘルメットに描かれた6色の星に込められた本当の意味
中居くんが一番最初に連絡してくれた
――映画本編でほとんど弱音を吐いていない森さんが。 「中居くん、一番最初に連絡してくれたんです。骨盤は粉々だし、背骨は折れてるし、足の感覚はないし(※)。そんな状態のときだったので、本当にヤバいと思って。中居くんとはそれまでも連絡は取ってました。何かあったら随所随所で連絡をくれるし、僕もたまには連絡するし。みたいな感じで。そのときは本当にダメだったので、そう打ったら、その言葉が返ってきた。“じゃあ、これは頑張るしかないな”と」 ※多発肋骨骨折、肺挫傷・肺血胸、腰椎破裂骨折、骨盤骨折の大怪我で、4回の大手術を繰り返し、体内には24本のボルトが埋め込まれた。 ――信頼している中居さんの言葉だったのも大きいかもしれませんね。 「そうですね。それに僕がその前に日本一になれたのは、ケガすることが決まっていたから、神様がそうさせてくれたのかなと思ってるんです。ケガが決まっていて、日本一が後付け」 ――ええ?? 「(笑)。ケガの前に日本一になれていなかったら、もう引退していたかもしれない」 ――人によっては「日本一になれたから引退」と思ってしまう人もいるかもしれません。 「僕は考え方が逆なんでしょうね。日本一があったから、自分にはその力があると思えて諦めずに頑張れたのかなと。そういう考え方の僕だから、ケガの前に神様がまず日本一にして、“頑張れ”と。そういう試練をもらったのかなと、自分で解釈しました。苦しかったですけどね。ちょうどコロナ禍で、リハビリに集中できたのも、自分としてはプラスになったかもしれません」 ――2022年6月、事故から1年5カ月ぶりに試走路に出ました。嬉しそうに競走車に乗り始めたあと、きついリハビリに弱音を吐かなかった森さんが、力を入れる際の足の違和感に気づいて、辛そうな表情を見せます(本編より)。 「きつかったですね。動かないし、感覚がないし、しびれはすごいし。やりたいけど、できない」