1929年、東京都台東区に2棟建築された4階建てマンション…「本来は120年間、建替えの必要がなかった」といえる驚きの理由【サラリーマン大家が解説】
長寿命マンションの可能性
そのような金持ちマンションは、長期間建替えを必要としない長寿命マンションになる可能性も高いです。 ここで長寿命マンションの実例を1つあげてみます。1929年(昭和4年)に、東京都台東区に地上4階建てで2棟建築された「同潤会上野下アパートメント」。この建物の名称にはマンションではなく、「アパートメント」という名称がついていますが、鉄筋コンクリート造で建築された現在で呼ばれるマンションと考えてください。 同潤会上野下アパートメントは2棟合計で住戸71戸、集会所、そして店舗が4区画ありました。残念ながら老朽化や建物構造の安全性の不安などの理由により建替えが決まり、2013年6月に解体されて築84年の生涯を終えました。 しかし、もし同潤会上野下アパートメントが1981年6月1日以降に施行された、「新耐震基準」と呼ばれる地震に強い基準で建築されていた建物であったならば、今もなお現役の建物として活躍していたのではないかと思います。それを裏づける証拠として、国土交通省から発表されている調査結果によると、鉄筋コンクリート造のマンションの物理的な耐用年数は120年と報告されています(平成25年9月25日【「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書取りまとめ後の取組紹介】資料より)。 これは、日頃から適正に建物の補修や修繕などの維持管理ができていれば、長期間建替えをせずに、住める長寿命マンションになる可能性が高いことを意味しているのではないでしょうか。 片岡 史朗 マンションLIFEコンサルタント ※本記事は『買った後に絶対後悔しない! 金持ちマンション購入術』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
片岡 忠朗