A東京U18出身の国定悠が目指す究極の文武両道、世界屈指の名門ケンブリッジ大経由でBリーガーへ「中途半端にやるなら意味がない」
「フィジカルを向上させることができたら、いろいろな要素が上達しやすくなる」
また、彼はアメリカではなく、イギリスの大学だからこそプラスに働く部分もあると見ている。アメリカのNCAAは世界中からタレントが集まり、激しい競争が繰り広げられる。さらにNCAAは数前から、転校する場合は1年間出場できなかった制約がなくなったことにより、多くの選手たちが1年、もしくは2年で転校することが当たり前となり、毎年ロスターの半数近くが変わることも珍しくないプロと大差ない状況になった。 この環境で日本人選手が安定したプレータイムを得るのは、より厳しくなっている。だが、ケンブリッジ大なら、NCAAに比べるとチーム内での過酷な競争はない。国定は「そもそもアメリカと環境を比べても仕方ないですが」と前置きしつつ、「自分は最初から試合に出て経験を積めている。そこは大きいです」と、メリットを強調する。 ちなみにケンブリッジ大のバスケ部は、18歳から22歳までの若者というメンバー構成ではない。人生経験豊富なチームメートたちの存在は、大きな助けになっていると彼は語る。「プロを目指している人だけではなく、プロを目指していたけど違う道を選択した人。元プロで今は引退している30代後半の人も何人かいたりと、いろいろな経歴の選手たちが集まっています。僕が一番若いので、いろいろと助けてもらっている部分も大きいです。年上の人たちのサポートには感謝しています」 そしてプロ選手になるため、国定が特に意識しているのは次の要素だ。「得点力を高めることは絶対に必要です。そして、フィジカルを向上させることができたら、いろいろな要素が上達しやすくなります。また、アルバルクのプロ選手たちと一緒にワークアウトをして、常に仕事をちゃんとこなす、ブレないプレーができることをより大事にするようになりました」 国定はポイントガードだが得点力を重視しており、憧れの選手はNBA史上最も小さい得点王であるアレン・アイバーソンだ。非凡な得点力に加え、「周りよりも勝利への執念が強いと彼を見ていて感じました」というように、闘争心あふれるプレーに感銘を受けている。