足元の「ドル高・円安」は“一時的”とみる ~2024年の「ドル円相場」今後の展望【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
今年は緩やかなドル安・円高が進むとの基本シナリオは不変、足元のドル高・円安は一時的とみる
以上を踏まえると、年明け以降のドル高・円安は、米早期利下げ観測後退によるところが大きく、テクニカル分析上では、しばらくドルの底堅さが見込まれるものの、ドル安・円高の基調は継続する可能性が高い、と解釈することができます。日米金融政策についても、FRBの利上げ再開や日銀の金融緩和強化という流れにならない限り、ドル円相場が大きくドル高・円安方向へ振れる公算は小さいと考えます。 弊社は2024年の米経済について、急減速には至らず、5月、7月、11月に25bpずつ3回の利下げを予想しています。また、日銀は4月にマイナス金利解除と長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃を決め、ゼロ金利政策を当面続けるとみています。この見通しに基づき、2024年のドル円は緩やかなペースでドル安・円高が進むというメインシナリオを維持しており、足元のドル高・円安は一時的なものと判断されます。 (2024年1月9日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『足元の「ドル高・円安」は“一時的”とみる ~2024年の「ドル円相場」今後の展望【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社