「警察官」VS「消防士」年収が高いのは? 就職するならどちらがよいでしょうか?
警察官と消防士は公務員のなかでも身近な存在です。人の役に立つ警察官か消防士になりたいと、考えている方もいるのではないでしょうか? しかし、それぞれの仕事はある程度イメージできるものの、年収はいくらくらいもらっているのか、想像が難しいところです。 そこで本記事では、警察官と消防士の年収を比較してみました。さらに仕事内容や勤務形態などについてもご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
警察官と消防士の年収比較
国税庁の民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均給与は458万円です。総務省が発表した令和4年地方公務員給与の実態によると、警察官と消防士のひと月あたりの給与額とボーナスは表1のようになります。 表1
※総務省「令和4年地方公務員給与の実態 」を基に筆者作成 表1を基にそれぞれの年収を計算したものが、次の式です。 警察官 (32万5987+8万9880円+4万9812)×12+163万8063=722万6211 消防士 (30万1948+8万74+2万1498)×12+152万1164=636万3404 警察官の年収はおよそ723万円、消防士はおよそ636万円であり、給与所得者の平均給与と比較しても高い傾向です。 消防士よりも警察官のほうが87万円ほど年収が高くなっています。差が生まれる要因の1つは、各種手当の金額の差です。 とくに時間外勤務手当は、ひと月あたり消防士がおよそ2万1500円であるのに対し警察官はおよそ5万円と、倍以上の差があります。 とはいえ、警察官や消防士は寒冷地手当や危険や困難が伴う特殊勤務手当、一定の場所に拘束され盗難予防など特殊業務を行う宿日直勤務に対する手当などは、勤務地や業務内容によって額が異なります。一概に警察官のほうが消防士よりも給料が高いとは言い切れないでしょう。 ■警察官の仕事内容と勤務形態 警察官といっても、課によって仕事内容は異なります。交番や駐在所などに勤務する地域課は、パトカーによる見回りや道案内など地域の安全を守ることが仕事です。ほかにも犯人を捕まえる刑事課、交通事故全般の取り締まりを行う交通課、ストーカーや非行の防止・対策を行う生活安全課などもあります。 警察官の勤務形態は配属先によって異なり、交番など24時間体制の場合は交代制で、週に2日程度の休日を取れるよう調整されています。 ■消防士の仕事内容と勤務形態 消防士は、災害現場で実際に消火活動や救助活動を行う以外にも、火災の原因調査や店舗や建物の防災設備の点検なども業務の一部です。出動やそのほかの業務がないときは、装備類や消防車の点検、筋力トレーニング、防火水槽・消火栓の位置や消防・救急車両の通れる道を覚える勉強・報告書の作成などを行っています。 災害対応をする消防士の勤務は交代制で、それぞれの消防本部によって3交代勤務制もしくは隔日勤務制を採用しています。
消防士よりも警察官の方が年収が高い!
警察官の年収はおよそ723万円、消防士はおよそ636万円と、87万円の差があります。どちらに就職するか考える際は、年収が1つの参考になるでしょう。 とはいえ、どちらも一般市民の命を守る重要な仕事で、年収だけで決めることは困難です。一般市民を犯罪や災害、何から守りたいのかといったこともふまえて挑戦しましょう。 出典 国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 総務省 令和4年地方公務員給与の実態 第5表職種別職員の平均給与額 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部