棋聖就位式で就位状を持つ藤井聡太棋聖（右）と日本将棋連盟の羽生善治会長=2024年10月28日午後2時21分、東京都港区、小林正明撮影

　将棋の藤井聡太棋聖（22）=名人・竜王・王位・王座・棋王・王将と合わせ七冠=の就位式が28日、都内で行われた。 【写真】棋聖位就位式で賞杯を持つ藤井聡太棋聖=2024年10月28日午後2時23分、東京都港区、小林正明撮影 　藤井棋聖は6～7月の第95期棋聖戦五番勝負（産経新聞社主催）で山崎隆之八段（43）の挑戦を3勝0敗で退けて防衛。2020年に自身初タイトルとして棋聖を獲得して以降5連覇を重ね、自身初の永世称号「永世棋聖」資格を得た。 　21歳11カ月での永世称号資格獲得は史上最年少記録。中原誠十六世名人（77）が1971年に永世棋聖資格を得た23歳11カ月の記録を53年ぶりに塗り替えた。 　藤井棋聖は「防衛によって永世棋聖の資格を得ることができました。これまで棋聖戦の対局を通して成長することができたことを感慨深く思うと同時に、これからより一層の研鑽（けんさん）を積んでいきたいと思っています」と謝辞を述べた。 　日本将棋連盟会長の羽生善治九段は「今年のノーベル賞で物理学賞を受賞したジェフリー・ヒントン教授はAI（人工知能）の世界のゴッドファーザーと言われている方。時代は少しずつ確実に変わっている。将棋の世界もAIを活用するのが普通ですが、藤井さんはフロントランナーとして技術の向上、進歩に大きく寄与されている」と賛辞を送った。 　永世称号は、タイトルの連続あるいは通算獲得によって資格を得る称号。棋戦によって規定は異なり、棋聖は「通算5期」。原則的に現役引退後に名乗る。藤井棋聖は8月にも王位5連覇を達成し「永世王位」の資格を獲得した。（北野新太）