<IFA>パナソニックが「GREEN IMPACT」の下で進める循環型経済。テレビなど新製品もアピール
ドイツ・ベルリンで9月6日(現地時間)から開幕する世界最大級のコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA2024」。正式開幕に先駆け、パナソニックがプレスカンファレンスを開催。パナソニックグループの長期ビジョン「GREEN IMPACT」に基づく環境への取り組みを軸とした講演が行われた。 【写真】「SL-1300G」など今回発表した新製品群の展示も ■製品の買い替えを抑制し、資源効率を向上。環境に配慮したパナソニックの取り組みとは プレゼンテーションには、パナソニック マーケティング ヨーロッパの片山英樹社長が登壇。CO2排出量の削減と回避、循環型経済を支えるビジネスモデルの構築を目標とする「GREEN IMPACT」施策について説明した。 CO2排出量については、世界中に展開する約250の工場のうち44ヶ所にてCO2排出ゼロを達成したと片山氏。循環型経済という観点では、工場の余剰電力を蓄える蓄電池などを駆使したエネルギーマネジメントシステム「RE100ソリューション」を軸にした活動を推進しているという。 RE100ソリューションについては、今年新たにイギリスの港湾都市カーディフ工場へ導入予定だとしており、必要な建設許可はすべて取得済みで、建設工事は現在順調に進んでいると進捗状況を紹介。 生産面だけでなく、流通する製品においても素材使用を最小限に抑え、リサイクル素材や再生可能素材を利用した「循環型製品」の開発を促進する。一例として欧州で展開しているアタッチメントシステム「マルチシェード」を採用したボディートリマーを紹介。身体の部位に応じたアタッチメントを多く展開することで、1つのメイン機器で様々な機能に対応させたモデルだ。このように一つの製品のカバー範囲を拡げ、製品の買い替えを抑制することで、資源効率を高めたと説明する。 また、ユニークな形状の電気シェーバー「LAMDASH PALM IN」を例に出し、従来形状の電気シェーバー(「ES-LV6U」※欧州モデル)と比較してプラスチック使用量を40%削減できたという。 日本国内での取り組みとして、様々な理由で同社に戻ってきた家電をもう一度使える状態に再生し、販売するリユース施策「Panasonic Factory Refresh」をピックアップ。洗濯機、食器洗機、冷蔵庫といった白物家電から、テレビ、Lumixのカメラに至るまで様々な製品が販売対象で、保証期間についても新品同様の期間を用意。会場のスライドでは、実際にテレビ製品を修理する様子が紹介された。 ■10年ぶり北米展開復帰のFire TV搭載機は欧州でも堅調。24年の新製品群に注目 講演後段では、2024年に展開したグループの新製品を紹介。特に北米展開も決定した、専用Fire TV搭載機Z95Aシリーズを始めとした “ビエラ” のニューモデルが堅調だとアピール。シームレスなストリーミングとスマートホームの統合を実現したモデルとして積極的な展開を行なっており、ブース内でもZ95Aシリーズの実機デモンストレーションが行われていた。 またゲーミング機能についてもプッシュしており、アクティビジョン・ブリザードのRPGタイトル『ディアブロ IV』と公式テレビパートナーを締結したことを発表。Mini LEDバックライト搭載機「W95A」と、ゲーミングネックスピーカー「SC-GNW10」との組み合わせたブース展示も行われており、ブース来場者へのさらなる訴求をしていくという。 テクニクスブランドでは、日本国内でも5月にリリースが行われたランボルギーニとのコラボモデル「SL-1200M7B」や、新型ターンテーブル「SL-1300G」、同社初のアクティブスピーカー「SC-CX700」を紹介。 また、ポータブルイヤホンの分野では「EAH-AZ80」のカラーバリエーションや、パナソニックブランドからワイヤレスヘッドホン、完全ワイヤレス2モデルを紹介。ワイヤレスヘッドホン「RB-600B」は、65時間再生のバッテリーライフを実現したモデルで、欧州では来月発売予定。完全ワイヤレス「RZ-B120W」はエントリー層をターゲットにしたモデルとのことで、IPX4防水機能や、単体6時間半、充電器併用で19時間半の使用をサポートするとのこと。こちらも欧州にて来月の発売を見込んでいるという。
編集部:松永達矢