子どもが3人います。大学の「通信制」に進めば教育費はおさえられますか?
たとえ学費が比較的安い国公立大学を選択したとしても、大学の進学・在学費用は高額です。子どもの人数が多いほど家計への負担が大きく、経済的に厳しいと感じる家庭も多いでしょう。 大学の学費をおさえられる選択肢の一つに、通信制課程への進学があります。本記事では、大学の通信制課程の学費の目安や、通学制と比べて本当に学費が安いのかどうか、金銭面以外のメリット・デメリットをまとめました。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
通信制課程のほうが大学の学費をおさえやすい
大学の通信制課程(大学通信教育)とは、テキスト学習や放送授業、通信授業など、通学以外の授業をメインに学習し、単位を取得する方式の大学教育課程を言います。通学制の大学と比べると、学費が低く設定されているのが特徴です。 公益財団法人 私立大学通信教育協会「大学通信教育ガイド(大学・短大編)」によると、協会に所属している私立大学の通信課程の1年次入学の入学諸費は2~10万円となっています。教育費等は年間約5000~90万円で、10~20万円台が相場です。 さらに、スクーリング(最低30単位)の費用が1単位あたり5000~2万円前後かかります。学校や単位の取り方にもよりますが、ある私立大学の通信課程のモデルケースでは4年間合計の費用が52万8000円と示されています。 文部科学省令に定められた国公立大学の費用の標準額(入学料28万2000円、授業料年額53万5800円)と比べると、国公立大学1人分の費用で子ども3人を卒業させることも不可能ではないといえるでしょう。
通信制課程でも学歴は「大卒」になる
大学の通信制課程は、正規の大学教育課程です。通信制課程を卒業すれば通学制と同じように学士の学位が取得でき、大卒の資格を得られます。 また、入試が書類選考のみというケースが多く、通学制の学部・学科と比べると入学のハードルが低い傾向がある点も特徴です。入学の時期が1年間に複数回設定されている大学も多く、挑戦するチャンスが多いというメリットもあります。 通学をしなくてよいぶん居住地から離れた大学でも学びやすいことや、動画やテキストで学ぶ講義が多く、時間に縛られずに自分のペースで学べるといった利点もあります。 経済的な負担が大きい場合は、本人が働いて学費を稼ぎながら学ぶなどの方法も選択しやすいでしょう。