「ピン芸人」柳沢慎吾が今さら“人気急上昇”の理由 『笑点』に単独出演で大絶賛 敬遠された“話の長さ”が再評価
最初は「徹子の部屋」
「実は『ひとり甲子園』をテレビで放送したのは、『笑点』が初めてではないのです。彼がまだ20代だった1986年に、『徹子の部屋』(テレ朝)で10分間にわたり披露したのが最初と言われています。もっとも、相手は“芸人つぶし”とも言われ、野球音痴で名高い黒柳徹子さんですからね……」 「笑点」のような大ウケは期待できそうもない。 「2008年にはCDアルバム『柳沢慎吾のクライマックス甲子園!!』をリリースしています。また、横浜スタジアムでは何度も始球式を務めており、マウンド上で『ひとり甲子園』を披露して“日本一長い始球式”と名物になっています。昨年、横浜スタジアム45周年記念のスペシャルイベントにも登場し、始球式に約30分をかけて自己最長記録を更新しました」 確かに、テレビではやりにくいかも。 「彼には『ひとり甲子園』以外にも、『ひとり太陽にほえろ』や『ひとり警視庁24時』『ひとりふぞろいの林檎たち』『ひとり火曜サスペンス』なんてネタもあります。面白いのですが、いずれも尺が長いのでショートバージョンを指示されたりすることもありました。また、集団芸にハマりにくいということもあり、“慎吾ちゃん尺”を作るほどの勇気がテレビマンになかったことも事実です」 「笑点」の成功は、彼の芸に相応しい“尺”と“舞台”を与えたことが幸いしたようだ。 「彼は俳優になる前、お笑いコンビ『てっちゃんしんちゃん』を組んで、『TVジョッキー』(日テレ)の素人お笑い勝ち抜きコーナー“ザ・チャレンジ”の4代目チャンピオンにもなりました。ちなみに、初代チャンピオンは竹中直人さん、3代目がとんねるずの石橋貴明さん、5代目が同じく木梨憲武さんです。また『ぎんざNOW!』(TBS)の“しろうとコメディアン道場”でも第20代のチャンピオンに輝いていますから、ただの俳優ではなく芸人としての才能もある。ひょっとすると、都内の演芸場で彼に目を付けた席亭さんが出てくるかもしれません」
デイリー新潮編集部
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