発達グレーゾーンの子はGW明けになぜ増える? 日本教育の抱える課題とは【専門家監修】
今年のGWは最長10連休と言われている。入学や進級し、新生活やクラスの雰囲気を感じ始めたところでやってくる大型連休。昨今、長期休暇の後は不登校が多くなったり、発達障害の症状が目立ってきたりと子どもの精神状態が不安定になることも。4月までは元気だったのに、急に「登校しぶり」が始まるということは少なくない。池上おひさまクリニック院長の大和行男先生に話を聞いた。 【漫画】「ADHDまじウザイ」診断受けた2児の母、書き込み見つけ「怖くて人と距離を縮めるなんてできない」
■新1年生は新しい環境への適応ストレスのため不登校
不登校はどんな子にも起こりうることではあるが、学校生活の中で不都合や苦手だと感じることが多い発達障害を持つ子は、よりその可能性は高いと言われている。それまで保育園や幼稚園で過ごしていた子にとって、小学校での生活というのは大きな変化。気持ちの面でも疲れや違和感を抱くことも多いだろう。 ――昨今、小学校の就学後のGW明けから不登校が増えるとよく聞きます。これは発達障害であるないに関わらず、起こりえることなのでしょうか? 【大和行男先生】これは発達障害に関係なく起こりうると思います。4月は頑張って(無理をして)登校しようと努力したものの、GWという大型連休の間に緊張の糸が途切れてしまい、5月から不登校になるお子さんは多いです。 ――では、発達に特性がある子の場合は? 【大和行男先生】4月は誰しも緊張していて不慣れな環境ですが、5月に入ると、例えばADHDのお子さんはマイペースに動き回るので、5月から先生方の目に付き始めるという流れも多いです。 ADHDの3大兆候は「多動性・衝動性・不注意」。最初期の症状は、就学前の保育園や幼稚園の高学年から小学校入学後が一番わかりやすい形で現れるといいます。就学すると、授業などで静かに集中しなければならない時間が増えます。先生から親御さんに「じっとしていられない」「ほかの子をケガさせた」などと電話が来ることもあり、就学を機に児童精神科や発達障害の外来を受診するケースは多いそうです。