斎藤元彦兵庫県知事 NHK出演も質疑かみ合わず 実績誇示にキャスターから制止 告発者捜しは「法の課題にも」ベストの対応主張
パワハラ疑惑による県政の停滞を招いたとして、議会から不信任案が可決した斎藤元彦兵庫県知事が20日、NHK「かんさい熱視線」に出演。キャスターや県政担当記者からの質疑が終始、かみ合わなかった。 【写真】目を真っ赤にして涙ぐみながら答える斎藤兵庫県知事 番組は「兵庫県職員たちの告白~斎藤県政の内実~」をテーマに、県職員を取材した形で構成された。斎藤知事は中継で出演した冒頭で「いまの兵庫県政の状況になっていることを心からお詫びしたい」「大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。 近田雄一アナウンサーが「意を決して職員たちが取材に答えてくださった。その中には、知事の姿勢を問う声、県政への批判の声もあったが、知事の何がいま、こうした事態を招いているか」と質問。 斎藤氏は「VTRに答えてくださった職員のみなさま、いろんな思いをお持ちの職員のみなさんには申し訳ない。これまでの仕事には感謝を申し上げたい」と切り出したが、その後は「3年前に就任してから、、既得権のしがらみから脱して、県民本意の県政をしたいと思ってやってきた」と自身の実績を並べだした。 近田アナはたまりかねたように、「知事!実績は分かりました。改めて聞きます…」と再度、同じ問いかけ。しかし、斎藤氏は「そういった声、職員の切実な思いは聞かなくてはならないと思います。そこはありますけども、これまで改革を進めてきた中で…」と実績誇示を繰り返した。 兵庫県政担当の記者が言葉を挟んで、制止。「県職員の不信を取るために、具体的に何をするつもりか」と聞くと、斎藤氏は「これまでも知事と幹部職員が協議をしていくことをやってきたし、これからもやっていこうと」と回答。記者が「分かりました。コミュニケーションをとっていく以外にも、信頼関係を回復へ具体的にやることは?」と聞き直したが、斎藤氏は「若い職員とオープンにやっていく。知事室から出て、出向いてコミュニケーションをさらにやっていく」と話すのみだった。 近田アナから「混乱が生じている中で、実現できるでしょうか?」と疑問を投げられても「私はやる。やらなければいけないと思う」と言い切った。 また「告発者捜しの初動については問題なかったか?」と問われると「調査の中で、クーデターや革命とか、県政への影響が非常に高い言葉出てきましたので、放置はできない」とコメント。 「クーデターや革命は、文書が出たあとの言葉。質問は、文書が出た際に、知事が自ら調査を乗り出したのは問題なかったのか」と改めて指摘された。 斎藤氏は、「誹謗中傷性が高く、いま考えれば、いろんな対応策があるという指摘は分かりますけど、私としては当時の対応としては、あれがベストな方法だったと考えている」と考えを押し通した。 その上で、今回の対応については「公益通報保護法や指針に対しての課題にもなる」は法や運用の立て付けに不備があったとも受け止められる発言をしていた。