帝京魂で準硬式のスター選手へ!帝京大のスーパー1年生が名門で刻んだ強者の教え 「強くならなきゃいけない」<準硬式・全国大会(清瀬杯)>
<清瀬杯第56回全日本大学選抜準硬式野球大会:帝京大0-1立命館大>◇4日◇決勝◇札幌円山球場 北海道で1日より開催されていた清瀬杯第56回全日本大学選抜準硬式野球大会。4日の決勝戦では立命館大が1対0で帝京大に勝利して、悲願の初優勝を手にした。 対する帝京大は33年ぶりの決勝戦。勝てば初優勝となったが、あと一歩及ばず栄冠を逃した。多くの選手が涙を流すなかに、1年生・牧大誠内野手(1年=帝京出身)の姿があった。 決勝・立命館大戦では両チーム合わせて唯一の1年生でスタメン出場。今大会の通算打率が5割でチーム2位というバッティングに加えて、ショートの守備では軽快なフットワークで打球に追いつき、いくつもアウトを取ってきた。スタメン出場するのも頷ける結果。 ただ、今大会が準硬式で初めての公式戦だという。プレーだけではそうは思えぬパフォーマンスに、「凄いですよね、肝が据わっている」と帝京大の先輩・橋本 恭平主将(4年=厚木北出身)も絶賛するルーキーだ。 牧は高校時代、名門・帝京で3年間を過ごしてきた。だが2年生の夏に右肩を痛めてからは、思うようなプレーができず、3年間でベンチ入りすることなく、高校野球を引退。ただ高校で野球を終わらせるつもりはなく、「(大学でも)本気で野球に向き合える、しっかりしたチームを探した」先に、牧がたどり着いたのが帝京大の準硬式だった。
入部してみたら、思っていた通り真剣に野球に向き合える環境があった。だが、学生主体の環境には戸惑いを隠せなかった。 「本当に戸惑いました。野球に対する見え方がガラリ変わりましたから。 帝京では選手間で緊張感を作り、普段の練習から公式戦をイメージできる勝負の厳しさを意識していました。でも大学準硬式に来て、『ミスしてもOK』という声掛けを聞いたときには『そういう野球でも真剣に向き合って強いんだ』って思いましたし、結果的に、ここぞでミスを恐れずに思い切ったプレーが出来ていると思います」 とはいえ、帝京では現監督の金田優哉監督、そして3か月の短い期間だが、名将・前田三夫氏の指導を受けた。そこで学んだ帝京魂は、いまも牧の土台となっている。 「2人とも普段から選手に寄り添ってくれましたが、よく話であったのは『強くならなきゃいけない。常に勝ち続けないといけない』ということは多かったです。 自分も負けず嫌いですけど、やっぱり勝負の世界である以上、負けることは許さない。それを教わった3年間だったと思います」 これから3年、牧は帝京大の準硬式を引っ張る存在になるわけだが、「学年が上がるにつれて、自分が中心になって戦わないといけない」と言った後、少しだけ間を空けて、改めて言い直した。 「中心になるではなく、中心にならないといけない」 強い帝京大を続けるため、牧はこれからも主力選手として戦うことを誓った。名門での3年間の教えを胸に、帝京の牧はさらなる成長を目指す。