見守り活動は「地域の文化」 時代に合わせ継続、奈良・小1女児殺害20年
上田さんは「富雄地区の見守り活動は『地域の文化』。皆さんに誇りを持って参加していただいており、時代の変化に合わせて発展的に続け、将来につなげたい」と力を込める。
■高齢化で担い手不足 文科省「参加しやすい環境を」
文部科学省によると、子供の登下校の見守り活動を担う人材は高齢化などのために不足傾向にある。
平成13年の大阪府池田市の大阪教育大付属池田小学校での児童殺傷事件や16年の奈良市の小1女児誘拐殺人事件などを契機に防犯ボランティア団体の設立が相次いだ。警察庁によると、団体数は15年の3056から大きく増加し、28年には4万8160に達したものの、その後減少に転じて昨年は4万4113となった。
メンバーの高齢化や後継者不足が原因、また、新型コロナウイルスの感染リスクから活動を控える団体も増えたとみられる。
文科省は見守り活動の担い手確保に向けて「余裕を持った可能な方法で活動する」「参加しやすい環境を整え、相互に強制しない」ことなどを呼びかけている。参加のハードルを下げることで、より多くの担い手確保が期待できるとしている。(張英壽)