おいしい物を食べた人の勝ち/医師で作家・鎌田實の「鎌田式 究極の若返り健康術」
<27>おいしい物を食べた人の勝ち 「医者の話を鵜呑みにするな。『健康長寿』鎌田式vs和田式」(ワック)という本を出しました。対談のお相手は、精神科医の和田秀樹氏。 彼は糖尿病の持病があって、血糖値660、血圧200超。とんでもなく高いのです。糖尿病の一番大切な検査数値であるヘモグロビンA1Cは9~10(正常は6・2以下)。時々薬を飲んで、血糖値300、血圧170程度にコントロールしています。内科医の鎌田から見ると、信じられない数字です。 そんな状態でも、彼は大好きなワインを楽しみ、精力的に活動してお金をため、面白い映画を作ろうと虎視眈々(たんたん)…。この本を読むと、そんな和田先生の実像に接して、多少の健康不安なんかどこ吹く風、と勇気が湧いてくるはずです。 ・筋活とたん活 ぼくが主治医なら、和田先生は健康状態を維持するのはとても不安な患者。時間をかけてゆっくりと、血圧150、ヘモグロビンA1C7・5程に下げたいところです。 しかし彼は、低血糖が脳や血管や臓器に大きな障害を起こすと考え、少々高めにコントロールしているのです。高血圧や高血糖に体が慣れてしまっているので、強い薬で血圧を下げてしまうとふらふらして仕事ができなくなってしまう。彼なりの選択をしていることがわかりました。 和田先生と意見が一致したのは、運動によって血糖値と血圧を下げること。結局、大事なのは筋肉なのです。筋肉を作るためには、タンパク質をしっかりとり、運動、ウオーキング、スクワット等の筋活が大事です。