借金が膨らんで返せない… いざというときに知っておきたい「債務整理」とは?
その3 自己破産とは?
3つ目の自己破産とは、借金返済の見込みがない場合に、返済が不可能であることを裁判所に認めてもらい、返済を免除してもらう手続きのことをいいます。 債務者が保有する一定の財産は換金され、債権者に公平に分配されることになります。これと併せて、裁判所から免責許可決定を得ることにより、原則、借金はゼロとなり、その後の返済が免除されます。 ただし、税金など一部の負債は、免責許可決定を得た場合でも支払い義務が免除されません。また、自己破産も民事再生と同じく、裁判所への申し立てを通じて行う手続きのため、自己破産した事実が官報に公告されます。
その4 過払い金請求とは?
過払い金請求とは、貸金業者などに払い過ぎた利息の返還を請求する手続きです。過払い金が発生している可能性が高い条件としては、「2010年6月17日以前に借り入れを開始」かつ「借金の完済から10年以内」となります。 すでに完済済みの場合でも、過去に過払い金が発生していれば請求により返還される可能性があり、現在も返済中の場合には、過払い金と残債務を相殺することで借金を減らせる可能性があります。 過払い金請求の手続きは、貸金業者に対する訴訟や和解によって進めますが、その事実が官報に記載されることはありません。
まとめ
債務整理の手続きは、多くの場合、専門的な知識を有する弁護士や司法書士に依頼することになります。しかしながら、債務者自身がそれぞれの債務整理における手続きの概要を知っておけば、実際に相談することになった際にも、その後の手続きをスムーズに進めることができるでしょう。 なお、当然のことながら、債務整理をした後の影響(デメリットなど)についても十分に理解しておく必要があります。特に、信用情報(ブラックリスト)への登録によって、その後一定期間の借り入れができなくなったり、一定の職業に就くことができなくなったりする場合があることには注意しておきましょう。 執筆者:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部