桐蔭学園が連覇! 過去3度決勝で全敗の「大阪の壁」をついに破った!
第104回全国高校ラグビー決勝(7日、桐蔭学園40-17東海大大阪仰星、花園)「東の横綱」が連覇達成だ!! 桐蔭学園(神奈川)が東海大大阪仰星(大阪第2)を40―17で下し、2019、20年度に続く2度目の2連覇で5度目の優勝を飾った。司令塔のSO丹羽雄丸(たける、3年)を中心に6トライを奪って圧倒。決勝では過去3戦全敗だった大阪勢に、4度目の対戦で初勝利を挙げた。東海大大阪仰星は3大会ぶり7度目の頂点には届かなかった。 3000人が詰めかけた西の聖地・花園で、桐蔭学園が東海大大阪仰星をねじ伏せた。決勝で初めて大阪勢を破り、連覇達成だ。 「一人一人がやるべきことを分かっていた。練習したことをやるだけ。みんなに感謝。勝ててよかった」 多彩な攻撃のタクトを振ったSO丹羽が喜びを爆発させた。前半を12―0で折り返したものの、後半4分にトライを許して5点差に詰め寄られた。FL申驥世(しん・きせ)主将(3年)は「隙を見せたらこうなるぞ」と、仲間に発破をかけた。 すると5分後、チームはモールを約25メートル押し込むトライで流れを引き戻す。直後には丹羽が中央へトライ。さらに司令塔を起点とした継続ラグビーで相手のインゴールを陥れ、4連続トライで突き放した。 決勝では過去3度、大阪勢の壁に阻まれてきた。丹羽はその大阪出身。それでも「憧れがあった。優勝するために」と神奈川の桐蔭学園に入学した。左膝の大けがのため、前回大会は客席で応援。リハビリを続けて昨年6月に復帰すると、今大会は「友達が集まった」という大阪桐蔭との準々決勝など大阪の2校を破って頂点に立ち、「最高」と笑った。 丹羽をはじめ福岡県出身のSH後藤快斗(3年)ら、全国から集うタレント集団だ。それでも日頃の練習に妥協は一切ない。昨季に比べFW陣の体格が小さい分、体力強化に取り組んだ。 グラウンドをVの字に約200メートル走り、折り返し地点で腹筋や背筋などを繰り返す伝統の「Vラン」は、昨季の倍の1日10本。丹羽は「どのチームよりフィットネスをやってきて、後半には自信があった」と胸を張る。準決勝までの4試合で後半は無失点、決勝も後半に圧倒した。 令和になってからの6大会で4度の優勝。藤原秀之監督(56)は3連覇への意識は「全くない。一からチームを作っていく」とした。同大でラグビーを続ける予定の丹羽らが成し遂げた偉業を後輩たちが受け継ぎ、「常勝軍団」へと突き進む。(石井文敏)