東大・渡辺が父譲りのサブマリン投法で初勝利を挙げた（撮影・児嶋基）

東京六大学野球秋季リーグ第5週第2日（13日、東大3x－2法大、神宮）2回戦2試合が行われ、東大は3―2で法大にサヨナラ勝ち、明大は8－1で立大に大勝し、ともに1勝1敗で3回戦に持ち込んだ。東大は、元ロッテ投手でプロ通算87勝の渡辺俊介氏（48）＝日本製鉄かずさマジック監督＝の長男、渡辺向輝投手（3年）が2失点完投で初勝利を挙げた。東大のシーズン2勝は2017年秋（3勝）以来7年ぶり。 【写真】父・渡辺俊介氏を彷彿させる下手投げのフォームを披露する渡辺向輝 サヨナラ勝利の立役者になった東大・渡辺は151球を投げ、9安打2失点と魂の完投。仲間と抱き合って喜んだ。 「いつも取材を受けるときは、負けて落ち込んでいることが多かった。今日は本当に泣きそうなくらいうれしい」 右下手投げからスライダーとシンカーを効果的に使い、法大打線に的を絞らせない。六回、八回と満塁のピンチを無失点に抑えると、大久保監督に直訴して九回のマウンドへ。リーグ戦初勝利を挙げ、「勝つなら自分しかないと思っていた」と胸を張った。 前週の慶大3連戦では2度先発し、計8回⅔で7失点を喫した。投球を見直すため、同じ右下手投げだった元ロッテ投手の父・俊介氏とシンカーの使い方について電話で2度相談。記念のウイニングボールは自分で保管するというが、助言を授けてくれた父について「（投球の）幅を広げてくれた。いつもは反抗的なことを言うが、今日は感謝したい」と笑った。 チームは6日の慶大戦に続く白星。東大がシーズン2勝を挙げたのは2017年秋の3勝以来となる。〝赤門投手陣〟を引っ張る3年生は「安心して見ていられる試合を作れれば」と力を込めた。神宮に東大旋風を巻き起こす。（児嶋基）