全米大流行ウーバー利用でマイナリーガーが680kmを約8万円で移動して話題
気軽でタクシーより安いウーバーは、全米のプロスポーツの移動手段にも革命を生んでいる。遠征地で食事に出かける時などに、メジャーリーガーや全米のプロアスリートが利用するケースが増えているという。 先月、NFLバッファロー・ビルズのシャリース・ライトが、シカゴのオヘア空港からビルズの練習地であるニューヨーク州オーチャード・パークまでウーバーで9時間かけて移動したこともメディアに報じられた。もともとは飛行機を使う予定だったが、乗る予定だった飛行機が遅れたため乗り継ぎもできなくなってしまった。レンタカーを借りるという選択肢もあったが、やはり移動中に睡眠を取っておきたかったためにUberの利用を決断した。運賃は約540マイル(約870km)の距離で632ドル08セント(約7万843円)。ライトは300ドル(3万3624円)のチップも加えたという。 また3月には、NBAシカゴ・ブルズのドウェイン・ウェイドがフロリダ州オーランドに遠征し、チームメイトと食事に出た際、ウーバーを利用。本人がスナップチャットにその時の様子を投稿したことで話題となった。マイナーリーガーの長距離バス移動などの過酷な環境は、1、2軍の格差として日本でも有名になっているが、ウーバーの出現で、「マイナーリーガーの移動」イコール過酷の構図も変わるのかもしれない。 また“小遣い稼ぎ”として簡単にドライバーになれるウーバーを利用者としてではなく、“バイト”でドライバーをしているプロ選手もおり、メジャーリーグ、ロサンゼルス・エンゼルスのニック・フランクリンは、ここ2年間、オフシーズンにはUberのドライバーとしてバイトをしていることを告白した。その理由は「暇だったから」だそうだが、利用者、ドライバーが、ともに5つ星で評価できるウーバーにおいて、彼は4.8という高評価を得ていた。そしてこの2年、一度もプロ野球選手だと気づかれたことはないそうだ。 ただウーバーは問題も抱えており、ドライバー、または利用客によるレイプ事件や暴力事件が発生する事件も多発している。最近では、運営会社の最高経営責任者が無期限で休職。会社の内部で性差別のスキャンダルが浮上し、幹部の離職も相次ぐなどさまざまな問題も抱えており、今後の見通しが不透明であることも確かなのだが……アメリカらしい一種の産業革命がスポーツ界にまで影響を与えている。