刑務所のアイドルが“塀の中”でコンサート「元気だせよ」やり直す“心のスイッチ”を押したい 受刑者「家族のことを考えた」佐賀
FBS福岡放送
ことし2月、女性デュオのコンサートが佐賀県鳥栖市で開かれました。会場となったのは、九州で唯一の女性刑務所です。塀の中を舞台に歌い手、そして、罪を犯した女性たちの思いに迫ります。 ステージの上で笑顔を見せる女性デュオに声援を送るのは、罪を犯した受刑者たちです。 塀の中の会場ではさまざまな思いが交錯します。 ■朝の点呼 「7室番号!」 「1、2、3、4、5、6、7。」 「7名!」 佐賀県鳥栖市にある「麓刑務所」、九州で唯一の女性刑務所です。20代から80代までのおよそ160人が収容されています。(2024年3月中旬時点) 犯した罪は、窃盗、覚醒剤使用、殺人と、さまざまです。
■刑期18年・ひとみさん(仮名・60代) 「60代です。18年の刑期です。」 ひとみさんは15年前からこの刑務所に収容されています。犯した罪は明かせないといいます。 ■ひとみさん 「周りの人にどれだけの影響を与えたのかを考えたら、最初は本当に、自分が生きる資格があるんだろうかと考えた。ここに入って時間を与えられているので、その間に自分の罪と向き合うことを考えない時はない。」 朝の6時半に起床し、掃除、身の回りの点検、刑務作業など、スケジュールは分刻みです。 ■ひとみさん 「ここで規律を守らなければ、外に出ても結局同じだと思う。」 罪と向き合い更生につなげるため、受刑者には規則正しい生活が求められます。
規律を重んじる生活の中で唯一、自由に体を動かせる時間が、1日30分の運動の時間です。 ♪(歌詞)「元気だせよ。」 受刑者を励ますような歌詞のBGMは、この刑務所の受刑者にとって定番の曲です。 その曲を歌うのが、女性デュオ『Pai×2(ぺぺ)』のMegumiさんとManamiさんです。 ■Pai×2・Manamiさん 「2つ(の曲調)が重なっちゃうから、1個こういうのがあっても良いかなと思った。」 この日は、1時間後に開かれるコンサートに向けて、ギリギリまで準備に追われていました。 会場となるのは、麓刑務所です。 『Pai×2』は24年間にわたって全国の刑務所や少年院などで500回以上のコンサートを行ってきました。“刑務所のアイドル”と呼ばれています。