阪神ファンの間で、「岡田ロス」が広がっているという

　いよいよ佳境を迎えるプロ野球だが、“アレンパ”を目指したタイガースは一足早く終戦を迎えた。レギュラーシーズン2位ながら、CSファーストステージで同3位のDeNAに2連敗。すでに退任が決まっていた岡田彰布監督の最後のユニフォーム姿となった。 【写真】ショップから「岡田グッズ」が姿を消した。すでにある「藤川新監督グッズ」も

　敗退が決まった翌10月14日の甲子園球場を訪れた――CSファーストステージが1勝1敗なら第3戦が行なわれ、5万人のファンが詰めかけていたはずだったわけだが、前日に敗退が決まってなお、阪神ファンの姿が散見された。 　甲子園球場前の広場には「GOES ON」と書かれた阪神ナインの巨大ポスターが貼られており、岡田監督が大写しになったポスターの前でカメラを向けるファンが後を絶たなかった。みな悲しい顔で写真を撮っている。

勇退報道直後に岡田グッズが売り切れ

　昨年はチームを38年ぶりの日本一に導き、甲子園球場前にある公式ショップ「ALPS」などでは岡田監督グッズが大人気だった。その店内をのぞくと、岡田グッズは見事に消えていた。岡田監督のレプリカユニフォームが置かれていた場所には、背番号なしのビジターユニフォームが置かれている。撤去されたのだろうか。店員に聞くとこう応じた。 「撤去ではなく売り切れです。そもそも岡田監督のレプリカユニフォームはほとんど在庫がなく、XOやSSのサイズしか残っていませんでした。それらも、勇退報道が出た直後に売り切れてしまった。他のグッズも同様です」 　阪神ファンの「岡田ロス」が最後の特需を生んだということなのか。たしかにプリントフェイスタオルをはじめ、キーホルダー、ネームプレート、クリアファイルなども、岡田監督のところには「こちらの商品はただいま売り切れとなっております」と掲示されている。何十種類もあるグッズのなかで売れ残っていたのはビクトリーライト（3000円）とブラックパーカーベア（2000円）だけだった。

藤川新監督の「カツオバー」が9月に発売

　すでに新監督には藤川球児氏が就任すると発表されているが、岡田氏が積み上げたものが継承されるのか懸念を抱く向きもある。虎番記者が言う。 「最終試合の終了後、応援団が奏でる現役時代の応援歌が流れ、スタンドからは岡田コールが響いた。異様な雰囲気のなかでファンは最後の一言を待ったが、岡田監督はついに姿を見せなかった。岡田監督は愛されキャラであり、ファンは球団内で“いつものゴタゴタ”が起きたのではないかと勘づいている。これで藤川新監督にうまく岡田野球がバトンタッチされるのか不安に思っている」 　ただ、公式ショップでは岡田監督のグッズが消えた代わりのように、藤川新監督が“登場”していた。阪神グッズのひとつとして、高知のカツオをスティックにしたおつまみ「カツオバー」のポスターが掲示され、藤川氏が笑顔で写し出されているのだ。店員に聞くと「今年9月に新発売となりました。タイミングよく高知出身の球児さんが広告塔でした」と話し、向いにあるショップ「DUGOUT」では、入口正面にポスターが貼り出されていた。まだこの「カツオバー」を手に取るファンの姿は見られなかったが、来季の阪神は昨年のような快進撃を見せ、“藤川監督グッズのバカ売れ”が起きるだろうか。