定松勇樹、プレッシャーの中でいつもと同じ…安定したターンでSG初制覇! 水谷理人もデビュー初勝利 ルーキー世代の活躍
【植木通彦 ちょっといい話】 東京・ボートレース多摩川で開催されたSG第51回ボートレースオールスターで23歳の定松勇樹選手(福岡県出身・佐賀支部)が5月26日にSG初制覇を遂げニュースター誕生となりました。1992年に21歳でダービーを制した服部幸男選手(静岡)のSG最年少優勝に匹敵する快挙です。 定松選手はGⅠ優勝がないままのSG優勝でした。得点率トップで予選を通過し5日目準優勝戦では最も優勝に近い最終レースの1枠で出場しました。私はテレビで解説していたのでレースをしっかり見ました。 2枠に瓜生正義選手(福岡)、3枠に松井繁選手(大阪)というレース経験豊富で実績抜群のレーサーがいる中でのレースでした。1マークを完璧にターンしないとわずかな隙も見逃してくれません。定松選手は実に堂々といつもと変わらず安定した操作でまくりや差しを許さないターンで準優勝戦を突破。 優勝戦も同じターンで優勝しました。プレッシャーの中でいつもと同じことができて結果を出す。これは簡単に見えますが永遠のテーマです。定松選手はこれからも取り組んでいくだろうと思います。どの世界でも新鋭が先輩を納得させるのは難しいことですが進化しなくてはなりません。それには想像を超える努力とメンタルが必要だと思います。今後の走りにもご注目ください。 定松選手のSG制覇の影響は香川・ボートレース丸亀でもみられました。定松選手の優勝と同じ日に昨年デビューした132期生でトップの水谷理人(まさと)選手(21歳・香川県出身)がデビュー初優勝を飾ったのです。 水谷選手は5コースから強気なまくりでバックストレートをトップ並走。並走中に水谷選手が相手の動きをしっかり見ていることに正直驚きました。そして2マークで相手のわずかな間隙に差しを決めるという冷静なハンドルワークで逆転した勝利は見事でした。 こうしたルーキー世代の活躍はボートレースの人気を押し上げる要因の1つだと思います。引き続き応援お願いします。 6月はモーター調整が難しい時期です。気温、湿度、気圧などに影響を受けやすいモーターを素早く仕上げる整備力が問われます。この辺りにもご注目いただきながらお楽しみください。
■植木通彦(うえき・みちひこ) 1968年4月26日福岡県生まれ。福岡県立博多青松高校卒。86年11月デビュー。2007年7月の引退までSG優勝10回を含む74回の優勝、公営競技初の年間獲得賞金2億円を達成したボートレース界のレジェンド。2018年、初代ボートレースアンバサダーに就任。テレビ『BOAT RACEプレミア』他、ネット放送、イベント、講演会で活躍中。『植木通彦オフィシャルブログ』(二次元コード)でも発信。