「BLEACH Rebirth of Souls」ジャンフェス試遊版を先行体験
バンダイナムコエンターテインメントは、2025年3月21日発売の3D対戦アクション「BLEACH Rebirth of Souls」について、メディア向けの体験会を開催した。 【画像】試遊バージョンのメニュー画面。まだ「VERSUS」モードしか表示されないが、ツートンカラーのビジュアルがクールでテンションが上がる 「BLEACH Rebirth of Souls」は、週刊少年ジャンプにて2001年から2016年まで15年間、久保帯人氏により連載された全74巻の漫画作品及びアニメ化作品「BLEACH」をゲーム化したもの。同作品のゲーム化はこれまでにも数多く行なわれてきたが、ゲーム機向けタイトルとしては2011年発売のPS3用アクションゲーム「BLEACH ソウル・イグニッション」以来14年振りの新作となる。 バンダイナムコエンターテインメントが「BLEACH」のゲーム化を手掛けるのも今回が初となる。同社ではこれまでにも格闘アクションの「ドラゴンボール Sparking! ZERO」など、原作のテイストを活かしたゲーム化には実績があるので、どのように「BLEACH」をゲームとして仕上げたのか楽しみだ。なお、開発はアニメ作品を題材としたゲーム「銀魂乱舞」などを手掛けてきたタムソフトが担当している。 先に結論から言ってしまえば、初めての人でもとっつきやすい操作感に加え、「覚醒」などの逆転要素により、シンプル操作ながら心地よいバトルが楽しめるタイトルに仕上がっている印象を受けた。ジャンルは“対戦”アクションとしているが、ガチガチの格闘ゲームというよりは“アクション”に重きを置いたカジュアルなゲーム性となっており、キャラクターを自在に動かし、作中シーンのかっこいい技を手軽に繰り出していくのはとにかく楽しい。 本稿では本作のメイン要素である対戦アクションの部分について簡単に解説するとともに、プレイした際に感じた魅力などについて語っていきたい。 ■ 原作を追体験できるストーリーモードや対戦モードのほか、豊富なモードが実装予定 「BLEACH Rebirth of Souls」では、ストーリーモードやキャラクターを選択してバトルできる対戦モードなど、多数のモードを収録する予定だ。今回の試遊バージョンでプレイできたのは対戦モードのみだったが、ストーリーモードはかなりのボリュームでしっかりと作り込まれており、原作を知らない人でも楽しめる上に、漫画原作の死神代行編から49巻の空座町決戦篇までの物語をまとめ、さらに本編の舞台裏のエピソードなど、原作にはなかったオリジナルストーリーも収録されるという。 今回プレイした試遊バージョンでは主人公の黒崎一護以外にも、朽木ルキア、朽木白哉、日番谷冬獅郎、四楓院夜一、市丸ギン、ウルキオラ・シファーの7キャラクターが使用可能だった。なお、使用ゲーム機はPS5となる。 キャラクターの操作はシンプルでLスティックで移動、Rスティックで視点を操作、これらスティック同時押しで後述する本作ならではの強化能力「覚醒」が発動する。ボタン類は□ボタンが速撃、△ボタンが閃撃、〇ボタンが己有技、Xボタンがステップ(ホールドダッシュ)となっている。 R1ボタンが投げなどの崩し手、L1ボタンがガード、R2トリガーが追撃で、長押しすることで特殊な「毀魂技」が発動可能。L2トリガーは押した状態で待機状態となり、他のボタンと組み合わせることでリバースアクションや強力な霊圧技が発動できるが、これらの技発動には霊力ゲージやリバースゲージなど下部のゲージを消費する。 操作モードはデフォルトが「スタンダード操作」で、このモードでは速撃や閃撃などのボタン連打時に自動で追撃までのコンボを行なうセミオートの動きとなるので、格闘アクションが苦手な人でもガンガン攻められるのは嬉しい。オプションから「プロフェッショナル操作」に変更した場合、コンボについてはこうした自動のコンボ動作は発生せず、常に押した通りの動きとなるので、コンボのタイミングを外すなど攻撃を読まれにくい動きができる分、操作が難しくなるため上級者向けのモードとなる。 ガードがボタン操作だったり、勝負の決め手となる毀魂技発動にはR2トリガーの長押しが必要となるなど、一般的な格闘ゲームにはあまり見られないユニークな操作が含まれるため、この辺りは慣れが必要な点だろう。 体力ゲージについてもやや特殊な仕組みだ。画面上にバーで表示される物が霊子ゲージで、通常は白色で表示されているが、ダメージを受けていき、残量が一定数を切ったところで赤色に変化する。この赤色の状態にまで相手を追い詰めれば、毀魂技が決められる状態となり、見事に毀魂技を決めれば相手の魂魄を削ることができる。魂魄はスタート時は9あり、前述の通り霊子ゲージが削られて毀魂技を決められると魂魄が減ってしまう。この魂魄を0にすることで勝利となる。なお、霊子ゲージ自体が0になっても魂魄は減らず、隙を見せる状態になるのみで、魂魄を削るためには毀魂技を使用する必要がある。 霊子ゲージ横にある戦意ゲージはこちらの霊子ゲージが削られる毎に少しずつ貯まっていき、これが最大になるとすぐ下に「EVOLUTION」というメッセージが出るとともに激しく電流エフェクトがほとばしるので、ここでスティック同時押しで「覚醒」が発動できる。覚醒というのは、一定時間全ての能力や技などが強化されるモードで、逆転を狙うのに最高の条件が整うというわけだ。 本作の面白いところは覚醒によって様々な技の威力が強化されるところだ。特に魂魄を削るための毀魂技の威力が強力になり、より多くの魂魄を1度に削る事ができるようになるので、うまく決まった時の爽快感はハンパない。さらに覚醒状態でさらに戦意ゲージを貯めることで「毀魂昇華」という状態になると、締めの毀魂技が最強状態の「覚醒 毀魂技2」となり、1度に大量の魂魄が奪えるようになる。 ギリギリのバトルをしてると、覚醒状態であっても相手の攻めに苦しむ場面が多くなる。そのような時に毀魂昇華の状態になって、覚醒 毀魂技2が決められれば、劣勢だった状況が一気にひっくり返る可能性がある。この逆転要素はプレイしているとかなり盛り上がる要素になりそうだ。 なお、毀魂技は隙が大きいため、普通に出すとガードされる恐れもあるが、スタンダード操作の場合、比較的簡単にコンボ連携に組み込めるので、ミスも少なく毀魂技が決められるのは初心者など格闘アクションに不慣れな人にはうれしいところ。 原作を忠実に再現する仕掛けは、キャラクター毎の技の威力やリーチの長さに現れている。さらに覚醒についてもキャラクターによっては2度目の「再覚醒」が可能だ。例えば今回プレイ可能なキャラクターで言えば、ウルキオラ・シファーは原作通り「レスレクシオン・セグンダ・エターパ」への変身として、2段階目の再覚醒が行なえるようになっており、この状態で発動する毀魂技は最大で何と相手の魂魄を6も削る大技となるなど、原作を知る人ならニヤリとしてしまうだろう。 他にもキャラクターによってはゲージ自体が特殊な己有ゲージを持ち、こうしたゲージを駆使して戦う事で、より原作に忠実なキャラクターらしいアクションが楽しめる。他にも「BLEACH」という作品らしい個性的なキャラクターたちをなるべく原作通りにバトルで使えるように、通常の攻撃技とは異なるキャラクターごとの固有アクションが盛り込まれるなど、本作はキャラクターの魅力が最大限に詰めこまれたゲームとなりそうだ。 ■ 簡単操作で原作再現のカッコいい技が出せる操作感が気持ちいい! 今回の試遊バージョンでは全てのキャラクターを一通り触ってみた。現段階で対戦相手のCPUの難易度は3段階あったが、最も難易度の高い設定で挑戦した。 初見でプレイしてみて感じたのは、コンボの気持ちよさだ。キャラクター毎に固有の技やユニークな攻撃方法があるが、基本コンボについてはスタンダード操作なら攻撃ボタンの連打でコンボが完走できるので、あまり考えずにボタンを連打するだけで相手にコンボが決められるのは爽快だ。 一般的な格闘ゲーム同様、本作にも3すくみの行動概念があり、通常の攻撃はガードで防ぐことが可能だが、ガード中は崩し手(投げなど)に弱い。逆に崩し手をやろうとしたところに攻撃を与えれば攻撃側が有利になるなど、単調に攻撃ばかりを連打していても勝てないようになっている。加えて本作にはガードゲージが存在し、ガードするごとに減少し、ゲージがなくなると一定時間ガードが行なえないガードブレイク状態が発生する。そのため、慎重に守りすぎるよりも、ガンガン攻撃を与えて攻めまくっていく戦い方が理想と言えるだろう。 一方でCPUもそこは理解しており、絶妙なタイミングで攻撃を仕掛けてくるため、ガードすべきところはキッチリガードしておかないとあっという間に毀魂技で魂魄が削られてしまう。引き際と攻め際の見極めも本作の重要な要素の1つと感じた。 魂魄を削る上で決め手となる毀魂技の発動はR2トリガー長押しという他の格闘ゲームではあまり見られない操作のため、慣れないうちは戸惑う場面もあると思うが、相手の霊子ゲージが赤の状態になったら攻撃前から意識してコンボの最後にR2トリガーの長押しを組み込む形をイメージすれば、かなりいい形で発動できるかと思う。 また発動のタイミングは画面上に赤字の派手めなエフェクトが表示されるため、赤字のエフェクトで気が付いてから発動することでギリギリ間に合う場合もあるので、赤字を見たらR2トリガー長押しをイメージしておくのも重要だ。これがうまく決まるとド派手な演出も挿入され、最高に気持ちよく相手の魂魄が奪えるので、積極的に狙っていきたい。 覚醒のタイミングも非常に重要だ。覚醒は霊子ゲージの奥にある戦意ゲージがマックスになったところで下部にアイコン表示される「EVOLUTION」が目印なのだが、これがプレイに夢中になっていると気が付かずに覚醒のチャンスを逃してしまうことがある。霊子ゲージの減少が戦意ゲージの増加に繋がるので、相手の攻撃を受けているタイミングでは常に覚醒のタイミングを意識しおくのがよさそうだ。 またコンボの締めのところでL2トリガーを押したままステップ操作をタイミングよく入れる「歩法」を使うことで、相手の後ろに瞬間移動のように回り込んで追加攻撃を与えられるのも気持ちいい。ステップを使用しない場合、本作のキャラクターの移動はかなりじっとりと動く。そのため、相手との間合いを一気に詰める場合などは攻撃からの「歩法」での攻めがうまく決まれば攻撃が継続できてかなり気持ちいい。なお、「歩法」含むL2トリガーを使用した攻撃は画面下部のリバースゲージを消費する点には注意が必要だ。 舞台については、今回の試遊バージョンでは[空座町]交差点・夕、など4カ所から選べるようになっていた。いずれの背景もかなり細かく描き込まれており、臨場感溢れるビジュアルとなっている。反射する床面など、リアルタイムレイトレーシングの描写が活きるような舞台も多く用意されており、漫画やアニメの世界観ながら、リアルなテイストが感じられる高品質なビジュアルが楽しめたのも印象的だった。 ■ 初めての「BLEACH」体験にもおススメの1本になりそうな予感 以上、「BLEACH Rebirth of Souls」の試遊バージョンをプレイした様子を簡単にレポートした。プレイしてみた感覚としては、とにかく「BLEACH」という原作漫画やアニメが好きな人にプレイしてもらう事を第1に考えられており、そのためにより簡単な操作でカッコいいアクションが実現できるという点にかなり注力している様子が感じられた。 今回プレイアブルでは触れられなかったストーリーモードについてもかなり長時間遊べるボリュームになっているとのことで、原作漫画やアニメが好きだった人は元より、原作未見の人たちでも大まかなストーリーが確認できるような作りになっているようなので、「BLEACH」の世界観やネーミングセンスにカッコよさを感じていながらも、全74巻という大作を今から読破するのは厳しいと躊躇していた人や、現在放送中のアニメ最新作「BLEACH 千年血戦篇」がきっかけで「BLEACH」に興味を持った人などには、是非プレイしてみてほしい1本となる可能性を秘めていると感じた。 今回の「BLEACH Rebirth of Souls」試遊バージョンは12月21・22日に開催されるイベント「JUMP FESTA 2025」のバンダイナムコブースにて出展されているので、会場を訪れた際はぜひプレイしてみてほしい。 まだまだゲームの詳細については明かされていないことも多いので、さらなる続報など、今後の動向にも注目していきたい。 (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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