長野県東筑摩郡筑北村・坂北の差切峡、再び観光活用模索
長野県東筑摩郡筑北村は、坂北地域にある県立自然公園の差切峡を、観光名所として再び有効活用できないか模索している。土砂崩れなどで遊歩道の維持整備が手つかずとなっているエリア東端の山上展望台「棚田公園」(約630メートル)に注目。村温泉入浴施設・坂北荘のすぐ近くにあり、雄大な渓谷全体を見晴らせる眺望スポットを差切峡の観光に生かせるか検討している。 村によると、展望台は10年ほど前に登山口付近が土砂崩れで埋まり整備を休止した。だが旧坂北村時代から使う観光マップで紹介され続けているため、近年は坂北荘を利用する村外観光客から問い合わせが相次いでいるという。 11月25日に村観光課の職員が現地確認を行い、差切トンネル近くから登る遊歩道が利用可能かどうかを確認した。登山口がささやぶに覆われルート上の数カ所に倒木があるものの、落葉樹中心のため雰囲気は明るく、擬木製の階段が良好に残り20分程度で登れることが分かった。展望台付近のあずまややベンチも残っていた。 村は近年、旧国鉄篠ノ井線廃線敷ルートの整備など、歩いて村の魅力を感じられるトレッキング観光に力を入れている。昨年、17年ぶりに刷新した村観光パンフレットの表紙写真には差切峡の「ドの渕」を採用している。村観光課は「差切峡全体の整備が難しくても、一部なら工夫次第で整備できる可能性がある。県の補助金の活用を含め有効な整備を検討したい」と話している。
市民タイムス