風呂やサウナと健康について考える「浴なび」

　いつもより疲れたなと感じた夜は、「自分をいたわろう」と、自宅の風呂に入浴剤を入れて少しだけぜいたくな時間を過ごすようにしています。 【図表】入浴剤のタイプと効能

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　ドラッグストアに行くと様々な商品があり、どれを選ぼうか迷いますね。日本浴用剤工業会によると、含まれる成分のタイプで効能が違うそうです。 　温泉の成分である硫酸ナトリウムなどの「無機塩類系」は、皮膚の表面のたんぱく質と結合して膜を作り、熱が逃げるのを防いで温熱作用を高めます。 　お湯に入れるとシュワシュワと泡が出るのが「炭酸ガス系」です。発生したガスは皮膚から吸収されて血管を広げ、血流量が増えることで、筋肉の疲れや痛みが和らぎます。またユズやヨモギなどの薬用植物を使った「生薬系」は、温熱作用を高めたり、香りでリラックスさせたりする効能があります。 　そのほか、パパイアの成分などで皮膚をきれいにする「酵素系」や、発汗で失われた肌の水分を補う「スキンケア系」などがあります。複数のタイプが組み合わさった商品もあります。

　同工業会によると、最初に製品化された入浴剤は1897年発売の「浴剤中将湯」とされています。女性向けの飲み薬「中将湯」を製造販売していた「津村順天堂」（現・ツムラ）の社員が、残った生薬を持ち帰って風呂に入れたところ、体が温まり、湿疹が改善したことから製品化されました。 　昭和初期には「バスクリン」や「ノボピン」などの無機塩類系が登場しました。当時は浴室のない家が多かったため、主に銭湯で使われていました。 　一般家庭で広く使われるようになるのは、高度経済成長で家庭に浴室が普及した70年代以降です。83年には炭酸ガス系の「バブ」が登場して大人気となり、市場規模が広がりました。 　商品の袋や箱の表示を見ればどのタイプかがわかります。似たような商品でもメーカーによって違いがあります。色々試してみてください。（竹井陽平）