【マクラーレンW1デビュー】 1275ps&1340Nm! マクラーレン史上、最高性能のロードカーが降臨!
まるで2024年シーズンのF1マシン
発表を前にごく限られたメディアをMTC(マクラーレン・テクニカル・センター)に招き、スニークプレビューが開催された。全ての電子デバイスを入口で預け、円形の"小劇場"(プレゼンテーションルーム)に入ってみれば、センターステージでいまだベールに包まれたW1と対面する。 アンベールの瞬間、固唾を飲んで見守った。オレンジとブラックに塗り分けられたW1が姿を現す。筆者の第一印象は「想像したよりもシンプル」というものだった。 もちろん隅々まで妥協なくこだわり抜いた空力最重視のスタイリングゆえ、特に車体の下半身はなかなか凝ったカタチをしていたのだが、ブラックアウトされている部分も多く、またヘッドライト周りのデザインがとてもわかりやすかったために、どこかシンプルに見えたのだろう。ドアから後ろ、インテークからリアフェンダーの膨らみあたりはP1の正統な後継車といったスタイルだと思った。 ドアあたりの造形は、"凄い"を超えて"凄まじい"。まるで2024年シーズンのF1マシン、MCL38じゃないか。ドアを上げてみれば、その断面がまたF1マシンのウイングのようで、3枚のパネルで構成されているのが分かる。全てのパーツ、インテリアも含めて、空力を考慮したかのようだ。 レースモードを選べば最低地上高がフロント37mm、リア17mm下がり、さらに『マクラーレン・アクティブ・ロングテール』と呼ばれるリアウイングは300mmも後へずらされて、フロント350kg、リア650kg、合計最大1トンものダウンフォースを高速コーナリング中に発するという。 マクラーレン史上、最高性能のロードカー降臨である。そのトラックパフォーマンスもまた、現時点で世界最高クラスというほかない。
SPEC:McLaren W1
ドライブトレイン:90度V型8気筒ツインターボ(MHP-8型)&ラジアル・フラックス型エレクトリック・モジュール搭載ハイブリッド 排気量:4.0L(3988cc) レイアウト:縦置きミッドシップ/後輪駆動 最高出力:1275ps(ガソリンエンジン928ps/エレクトリック・モジュール347ps) 最大トルク:1340Nm/4500-5000rpm(ガソリンエンジン900Nm/エレクトリック・モジュール440Nm) トランスミッション:8速DCT&Eリバース サスペンション:F&Rダブルウィッシュボーン ブレーキ:カーボン・セラミック・レーシング+(MCCR+) ホイール:F 19×9.5J R 20×12.0J タイヤ:F 265/35/R19 R 335/30/R20 全長×全幅×全高4635×2074×1182mm ホイールベース:2680mm トレッド:F 1676mm R 1624mm 最軽量乾燥重量:1399kg パワーウェイトレシオ:911ps/t 燃料タンク容量:62L バッテリー容量:1.384kWh バッテリー充電時間:22分で80%(EVSEケーブル使用) EV航続距離:2km ラゲッジ容量(Wet/DIN):118L/87L 0-100km/h加速:2.7秒 0-200km/h加速:5.8秒 0-300km/h加速:12.7秒以内 最高速度:350km/h(電子的に制限)
西川淳(執筆) 平井大介(編集)