妻は15歳年下で子連れ、65歳からの年金はどうなる?
Aさん(男性)は現在62歳。65歳から年間200万円の老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)が受けられることになっています。そのAさんは最近結婚したばかり。結婚した妻・Bさんは15歳年下の47歳、Bさんと元夫との子である12歳のCさんがいます。3人で暮らすようになっていますが、この結婚を機にAさんの年金額は変わるのでしょうか。
65歳からの年金
Aさんの老齢年金の支給開始年齢は65歳。Aさんの年金記録では、65歳から老齢基礎年金70万円と老齢厚生年金130万円の合計200万円が受けられることになっています。家族が増えたなかで年金生活もだんだん近づいている状況です。 その65歳からの老齢厚生年金には、65歳未満の配偶者がいることや、18歳の年度末まで(一定の障害がある場合は20歳未満)の子がいることでの加給年金の加算があります。配偶者加給年金と子の加給年金、それぞれの加算額が決まっており、【図表1】のとおりです。
Aさんの65歳時点で、Bさんは50歳、Cさんは15歳で(障害なし)です。Aさんが65歳になった当時、BさんがAさんによって生計を維持されている配偶者であれば配偶者加給年金・39万7500円が、CさんがAさんによって生計を維持されていた子であれば子の加給年金1人分・22万8700円が、それぞれ加算されます。 いずれも加算された場合、合計62万6200円が65歳からの老齢厚生年金に上乗せされることになるでしょう。
65歳前に連れ子との養子縁組が必要
AさんはBさんとの死別・離婚がなければAさんの配偶者となり、最大でBさんが65歳になるまで配偶者加給年金が加算されます。 一方、子の加給年金については、加算対象となる子とは、老齢厚生年金を受給できる人の「実子または養子」を指します。AさんはBさんと結婚しても、それだけではCさんはBさんの連れ子に過ぎず、Aさん自身の子ではありません。 Aさんの実子でないCさんがいることで子の加給年金を受けるためには、AさんとCさんが養子縁組をする必要があります。Aさんが65歳になる前にCさんが養子になれば、加給年金の加算対象となる子となり、Cさんが18歳になるその年度末まで加算されます(【図表2】)。