【整形は勝ち組?】整形前の自分と「同じ顔の女」は、ブスでも楽しく生きてて!?一体何が違うの?容姿の価値観を描く【作者に聞く】
美人になりたくて、整形した朋美。美しい容姿で大学生活を謳歌していたある日、整形前の自分にそっくりな顔をした女の子と出会い、ブスなのに自分らしく生きる彼女の姿を見てなんで自分は彼女のように生きられなかったのか、悩んでしまう。『二階堂先輩の秘密』で、モーニング月例賞「奨励賞」を受賞した白梅僚人(@eiichi_manga)さんの新作『同じ顔の女』は、ありのままの容姿も整形することも、両方認める展開に「どちらの女の子も素敵」などのコメントが届く。 【漫画】「整形前の自分」にそっくりな女と出会う話 ■周囲にブスだと言われて「自分も自分を嫌いになってしまった」 整形して自己肯定感が上がった朋美。実際に整形をしてからは、いいことづくめで、美人になって、人生を楽しんでいた。そんなある日、整形前の自分の顔にそっくりな女の子を見かける。容姿のことで周囲からいじめられていた朋美は、つい彼女のことを目で追ってしまう。 彼女がどんな生活をしているのか知りたくて後をついていくと、カフェに行ったり、デパコスを買ったり、ネイルをしたりとやりたいことを満喫している。容姿を否定され、自分に自信がなかった朋美には考えられない行動だった。 彼女は、どうして自分のことを好きでいられるのか?どうして朋美は、自分の顔を好きになれなかったのか?同じ顔をしていても、生き方がまるで違う2人の女性を描く。 ■「自分の容姿が嫌い」同じ苦しみを持つ人が「少しでも楽になればいいな」と願いながら描いた 多くの人が悩む「容姿」を題材に、整形することで変わることができた朋美と、自分の容姿を受け入れ人生を謳歌するなっちゃんの2人の生き方を描く。今回は、白梅僚人さんに制作のきっかけや制作秘話などをインタビューした。 ――まずは、本作を描くきっかけを教えてください。 整形した女の子が主人公のプロットを書いたところ、担当編集さんに「整形前の自分と同じ顔の人間が現れたらおもしろいのでは?」というアドバイスをいただいたことです。 ――「自分の見た目が嫌で整形する女性」の心理描写がとても丁寧に描かれていると思いました。制作するうえでこだわったポイントは、ありますか? 自分が経験したことのある苦しみと、このキャラクター(朋美)が持っている苦しみの共通点を探しながら執筆しました。更に、朋美という人間が実在すると考え、どんな人物かイメージを固めるためにいろいろなことをしました。「朋美という人間は本当にこう考えるのか?本当にこの台詞を言うのか?」ということは、描いている最中ずっと考えていて、モノローグや台詞に少しでも違和感があれば何度でも描き直しました。 ――主人公と真逆の「周囲にブスと言われても、自分のことが好き」というキャラクターについてもこだわったポイントがあれば教えてください。 このキャラクターは、常に「カッコよく」見えるように気をつけました!好きなものを貫いている人にとても憧れるので、そういう人の魅力を表現したいと思って描いています。なっちゃんは、世間一般的に美しいという価値観から外れているかもしれませんが、個人的には常に「ええやん…」と思って描きました(笑)。 ――「いろんな幸せの形があっていい」などのコメントが届き、13万のいいねがついています。本作を通して伝えたかったことが読者に届きましたでしょうか? 「いろんな幸せの形があっていい」というコメントを最初にいただいたとき、「この作品を一言で表すとこうなるのか!」と感動しておりました。また、「主人公と似た苦しみを持つ人が、少しでも楽になればいいな」と願いながら描いた作品だったので、「ホッとした」「前向きになった」などのコメントをしてくださった方がいたことは、涙が出るくらいうれしかったです。 ――そのほかに、どのような漫画を描いていますか? コミックDAYSにて、「二階堂先輩の秘密」というラブコメの読切を公開しております。コメディやギャグがお好きな方は、ぜひ読んでいただけたらうれしいです! ――今後どのような漫画を描いていくか、予定はありますか? 現在、ラブコメ漫画を鋭意製作中です!公開する際は、X(元Twitter)で告知いたしますので、ぜひフォローよろしくお願いいたします! 本作は、モーニング月例賞で「期待賞」を受賞。心理描写だけでなく、どちらの生き方も正しいと背中を押すラストは、容姿や生き方に迷いを持つ人たちの気持ちをアップデートしてくれるはずだ。 取材協力:白梅僚人(@eiichi_manga)