韓国政府、流動性「無制限」注入も 中銀臨時会合で市場支援承認
Cynthia Kim [ソウル 4日 ロイター] - 韓国企画財政省は4日、戒厳令宣布を巡る混乱を受け、「無制限」の流動性を金融市場に注入する用意があると表明した。 崔相穆・企画財政相と李昌ヨン・韓国銀行(中央銀行)総裁による夜間の緊急会合を受けて発表された。 政府は、金融市場は通常通り運営されるとした上で「株式・債券・短期金融市場、外国為替市場が完全に正常化するまで、当面は無制限に流動性を注入する」との声明文を出した。 また、中銀は臨時会合を開き、市場支援措置を承認。円滑な市場機能を支援するため、国内金融機関を対象とした特別レポオペを4日から開始すると発表した。 一部国営企業が発行する金融債を受け入れる形でレポ担保政策を緩和するとも表明した。 聯合ニュースによると、金融規制当局は株式市場安定化基金に10兆ウォン(70億7000万ドル)をいつでも投入する用意がある。 4日の金融市場ではウォンが上昇し、株価は下げ幅を一部縮小。ただ、投資家は引き続き長期的な韓国政治の安定性に警戒感を抱いている。 通貨当局はウォン安抑制のため、序盤の国内市場でドル売り介入を行ったもようだ。2人のディーラーが明らかにした。 韓国の株価指数とウォンは今年に入ってからアジアで最もパフォーマンスの悪い資産の一角を占めている。 グラスホッパー・アセット・マネジメントのシンガポール駐在ポートフォリオマネジャー、ダニエル・タン氏は、長期的に見て、今回の騒動は「コリアン・ディスカウント(韓国企業が世界の同業他社と比べてバリュエーションが低い傾向にあること)」を際立たせることになると指摘。「投資家はウォンや韓国株に投資する際により大きなリスクプレミアムを求める可能性がある」と述べた。