3連勝で王座を初防衛した藤井聡太!その9月の対局を振り返る
王座戦は3連勝で初防衛。昨年のリターンマッチを見事な結果で跳ね返した。シード棋士にとっては早指しの一般棋戦もはじまるシーズンで、今年度はどれだけの結果を出せるか。 ※対局予定棋士の名前の後の( )内は藤井から見た過去の対戦成績。 【写真を見る】王座を防衛した藤井聡太 9月4日に第72期王座戦五番勝負第1局で永瀬拓矢九段と対戦。後手となった藤井は叡王戦以来2回目の3三金型角換わり早繰り銀を採用する。永瀬の馬対藤井の歩得の持久戦から、終盤の入口で藤井がペースをつかむ。その後は的確に攻防を織り交ぜて、逆転を許すことなく押し切った。 9月18日に王座戦第2局で永瀬九段と対戦。角換わり腰掛け銀から、互いに研究十分の形となり猛スピードで進んでいく。中盤、王手で銀を取らせる強気の対応を見せて後手玉に迫り、ペースをつかむ。永瀬の勝負手をかわしながら着実に差を広げていくと、最後はきっちり一手勝ちを収めた。これで2連勝とし、初防衛まであと1勝とした。 9月21日に第45回将棋日本シリーズJTプロ公式戦で佐々木大地七段と対戦。仕掛けでペースをつかんで攻勢を取るが、佐々木の粘り強い指し回しで混戦になる。形勢が微妙に揺れ動くものの、終盤でチャンスをとらえて抜け出すと、最後は一気に押し切った。11月2日に行われる準決勝では広瀬章人九段と対戦する。 9月30日に王座戦第3局で永瀬九段と対戦。角換わりから後手の藤井は右玉で待機策を取る。難解な応酬が続いたが、終盤で永瀬が抜け出す。的確な寄せの前に藤井が敗勢となったかに見えたが、最後の最後で絶妙の勝負手を繰り出し、逆転に成功。3連勝で初防衛を果たした。これでタイトルは25期目。 9月15日に第74回NHK杯将棋トーナメント本戦の西山朋佳女流三冠戦が放映。西山の角交換振り飛車からじっくりとした戦いになる。形勢互角の戦いが続いたが、終盤に入り少しずつ形勢をリードしていくと、最後まで正確に押し切って一手勝ちを収めた。次戦は澤田真吾七段─冨田誠也五段戦の勝者と対戦する。 第37期竜王戦七番勝負の挑戦者は佐々木勇気八段(4勝2敗)に決定。第1局は10月5、6日に行われる。 第32期銀河戦本戦で藤井はHブロック最終戦に登場する。手前には近藤誠也七段、三浦弘行九段らが控えている。放映は10月31日(木)の予定で、勝てば決勝トーナメント進出。 SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024が開催。西側で唯一のタイトルホルダーである藤井は選出が決定している。対局は12月15日(日)。 文=渡部壮大
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