巨人・橋上秀樹コーチ「慎之助のストレス発散に私を使ってもらえればいい」 高校の後輩を名選手から名監督に
【球界ここだけの話】今季はイースタン・リーグに新規参入したオイシックスで初代監督を務め、来季からは巨人の作戦戦略コーチに就任する橋上秀樹氏(59)。巨人にコーチとして復帰するのは11年ぶりで、東京・安田学園高の後輩である阿部慎之助監督(45)を支える。その胸の内を聞いた。 【写真】巨人・坂本がスマホケースに貼っている「笑うアベ」ステッカー。阿部監督が七福神の姿で描かれている 「CSで負けちゃいましたけど、リーグ優勝しているチームに行くのはプレッシャーがかかりますね。ハードル高いんで。ファンの方々も勝って当たり前という思いでしょうから、成績が今年より下がると、新しく来たヤツのせいだってなってしまうので」 そう苦笑しながらも、「いつかは彼の下で、名選手だった阿部慎之助を名監督にする手助けができればいいな、という思いがあった」と本音を口にした。高校の先輩、後輩という間柄から、これまでも〝組織外支援〟してきた。 「ずっとプライベートでは連絡を取り合っていましたので。〝外部コーチ〟じゃないですけど、野球以外のことも含めて、その時々の彼の悩みを聞くことも多かった」と明かす。その上で、「彼みたいに打てる打者が指揮官をやるわけですから、(チームが)打てないことに対して非常にジレンマがあったと思う。監督は孤独な仕事。一緒にやっているコーチにはなかなか弱みを見せることも難しい。そういう意味では私なんかは非常にいい立ち位置。いいストレス発散に使ってもらったんじゃないですか(笑)。来シーズンは一緒のチームになりますが、これまで通り愚痴をこぼせるようなスタンスで、そういうところで使ってもらえればいいと思っています」と続けた。 橋上氏は就任1年目となった今季の阿部監督をどう見ていたのか。「現役時代に打てた選手は守備を重視する監督が多いですね。野村(克也)さん、落合(博満)さんもそうでした。自分になかったものを求めるのか、逆にいい投手だった人は攻撃を重視する。(阿部監督は)特に捕手出身の監督だけあって、根本的な考え方はいかに失点を防ぐかというところから始まっている。そして、攻撃力のない中でスモールベースボールでいかに点を取るか。シーズン当初から一貫して自分の考えを貫き通した感じはしました」と振り返った。 リーグ連覇、そして日本一に向けて、最大のライバルにDeNAを挙げる。解説者の仕事で昨年まで3年連続でDeNAを優勝予想していたという同氏。「それくらい戦力的には他のチームより投打ともに充実していた。今年の成績(=日本一)はやっと持っているものが出始めてきたのかなと、驚きはないです。来季以降を考えると、厄介なチームだと思います」。一方で、「打てるチームと守れるチームでやったら、守れるチームが強い。DeNAはどちらかと言うと守備率が低くて、ジャイアンツとは正反対のチーム。だからある意味、正反対のチーム同士がやるのは楽しみであり、面白いんじゃないですか。ジャイアンツが今季やってきた守りの野球をさらに向上させていくのが優勝への一番の近道だと思います」と自信をのぞかせた。(東山貴実)