開始10年で191基整備 三重・松阪 下水道直結、マンホールトイレ
災害で家庭の水洗不具合時、代用に
三重県松阪市が災害時に家庭の水洗トイレが使えなくなった場合に備えて市街地で整備を進めている「災害用マンホールトイレ」は、2015(平成27)年度の事業開始以来10年を迎えて、本年度中に3カ所に11基を設置する予定で計49カ所191基の設置となる。 災害用マンホールトイレは、災害時に下水道管路にあるマンホールの上に簡易型のトイレを設けて使うもの。近くの倉庫などに専用便器と専用テントを保管して、使う際はこれを組み立ててマンホールのふたを開けてトイレにする。水が流れるのでし尿は下流の下水道に入っていく仕組み。便座が下の下水道に直結する格好になる。 松阪市では昨年度までに市役所や嬉野、三雲各地域振興局といった防災拠点や、学校などの指定避難所、その他の施設46カ所(1カ所だけ防災拠点と指定避難所に重複)に180基を整備している。飯高飯南地域は公共下水道整備エリア外となるため設置は行っていない。 市下水道建設課によると、今年度は市嬉野社会福祉センター(嬉野権現前町)、市子ども支援研究センター(川井町)、花岡地区市民センター(大黒田町)の3カ所に計11基を整備するとして、計4729万1200円を投じる。うち嬉野社会福祉センターが工事中で、他2施設の作業は年明けからになる。 整備は、避難所の収容人数が多い場所などから順番にしており、引き続き進めるという。