地震で被災の受験生「出し切る」 緊張の面持ちでテスト初日
大学入学共通テストが13日、始まった。能登半島地震で本番直前に大きな被害を受けた被災地の受験生は、自宅が損壊し、学校再開のめどが立たないなど日常が一変。不自由な生活を送りながらも勉強を続けてきた。「ここまできたら出し切りたい」。家族らの励ましを胸に、緊張の面持ちで初日に臨んだ。 石川県七尾市の県立七尾高の生徒たちは、12日から金沢市内のホテルに宿泊。朝食後、昼食用の弁当を受け取ると試験会場の金沢大へ急いだ。3年村井康晟さん(18)は、七尾市内の自宅が地震で傾き断水。親族の家に身を寄せている。「親戚が見守ってくれ、学校も何度も励ましてくれた」と感謝し「『健康に気を付けて』と家族から電話が来た。頑張らなくては」と語った。 みぞれが降る中、金沢大には傘をさした制服姿の受験生らが続々と入った。同県羽咋市の高校3年岡田琉之介さん(18)は、断水が続く中で準備を続けてきた。被害の大きい能登半島に親戚もおり「精神的には相当厳しかったが、ここまできたら自分がやってきたことを出し切るしかない」と意気込んだ。