日没前後、交通事故に気を付けて 死者・重傷者の半数以上が集中 青森県内10~12月・過去5年
青森県内で過去5年(2019~23年)の10~12月に発生した交通事故の死者と重傷者計417人のうち、半数以上の220人が日没前後の「薄暮」から夜にかけて事故に遭っていたことが29日、県警のまとめで分かった。日没が早まる秋から冬にかけては、例年、薄暮に事故が増加する傾向にある。県警はドライバーにはハイビームの積極的な利用、歩行者には反射材の着用を呼びかけている。 県警交通企画課によると、薄暮から夜に発生した事故の死者・重傷者220人の内訳は、歩行中が116人と約半数に上る。このうち、65歳以上の高齢者は75人と6割超を占めた。反射材を着用していたのは高齢者7人、高齢者以外5人の計12人のみで、着用率はわずか10.3%だった。 23年の薄暮時間帯の死者・重傷者の割合は、夏(7~9月)が12.1%なのに対し、秋から冬(10~12月)は16.8%と重大事故が増加する傾向にある。日が短くなり周囲が暗くなる時間帯と、帰宅などで交通量が増加する時間帯が重なり、事故が起きやすいことが要因とみられる。23日に弘前市で、歩行中の80代女性が車にはねられ死亡した事故も、薄暮に当たる午後5時ごろの発生だった。 県警は事故を未然に防止するため、日没後に車を運転する際には原則ヘッドライトをハイビームにするよう呼びかけている。警察庁によると、照射距離はロービームの約40メートルに対し、ハイビームは約100メートルと2倍以上の差がある。道交法では、夜間の運転時はハイビームで走行し、対向車や前に車がいる場合はロービームに切り替えて走行するよう定めている。 同課の高橋晶子交通企画官は「ハイビームを使うとより遠くまで見えるので、一秒でも速く歩行者に気付ける」と強調。「ドライバー側が漫然と運転しないことは当然だが、歩行者側も反射材や明るい色の服を着用し、事故に遭わないように気を付けてほしい」と語った。