NY株式市場 大幅続落 雇用統計で景気後退懸念
2日のニューヨーク株式市場で、主要3指数がそろって大幅に続落しました。 ダウ:3万9737ドル(↓610ドル) ナスダック:1万6776(↓417ポイント) S&P500:5346(↓100ポイント) ダウは下げ幅が一時1000ドルに迫り、終値では去年2月以来の下げ幅となる、610ドル安で取引を終えました。この2日で、1100ドル以上の下落です。 ナスダックも2日続けて2%を超える大幅な下落となっています。 この日の下落の要因となったのは、朝方発表されたアメリカの7月の雇用統計で、景気後退への懸念が高まったことでした。 失業率が、前の月から横ばいの4.1%を見込んでいた市場の予想を上回る4.3%と、2021年10月以来の高い水準に悪化。 また、農業以外の分野で働く人の増加数は11万4000人と、市場予想の17万5000人を大きく下回ったほか、6月と5月の雇用者数の伸びも下方修正されました。平均時給も前年比3.6%、前月比0.2%の上昇と、それぞれ市場予想を下回りました。 前日には、新規失業保険申請者数が約1年ぶりの高水準に達したほか、ISM製造業景気指数も低調で、特に雇用指標が市場予想を大幅に下回っていました。景気後退懸念が一気に高まっていたなか迎えた雇用統計で、市場は、インフレの一因となっていた労働市場の減速を歓迎するのではなく、アメリカ経済の先行きに不安を深める形となりました。 アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は、7月31日のFOMC=連邦公開市場委員会で、次回9月会合で利下げを開始する可能性を示唆しましたが、市場では今回の雇用統計を受け、FRBが9月に0.5ポイント(通常の2回分)の利下げを行う観測が高まっています。FRBパウエル議長は、FOMC後の会見で、これまでのインフレ抑制重視の姿勢から、雇用の下振れリスクにも配慮する方針を強調していましたが、政策が「後手に回っている」との指摘もあがり、今後、さらに景気後退への警戒感が高まることになりそうです。