12歳のパピヨンを放置 飼い主の高齢者夫婦は認知症? シニア犬は視力をほぼ失っていた 安心しきった寝顔に「ここがあなたの新しいお家だよ」
行き場を失った犬たちを救い出し、幸せへと繋げる活動を行う団体・アイドッグ・レスキュー隊。2024年春、以下のような相談が舞い込みました。 【写真】「なんとか子の命を助けたい」と相談者も葛藤を抱えていました 「90歳近い両親が飼っているオスのパピヨンがいるのですが、両親は認知症であり、パピヨンの世話を全くしていません。私が実家に帰った際にできる限りの世話をしていますが、彼らはパピヨンの水が空っぽでも気にしない状況です。以前、パピヨンは重篤な皮膚病を患いましたが、父は『もう時期死ぬから』と放置。慌てて病院に連れて行ったこともあります。私の家にもポメラニアンがいて、さらに両親のパピヨンの引き取りを夫が了承せず、これ以上お世話をすることが難しい状態です。なんとかこのパピヨンの命を他の方に託せないかと考えています」
飼い主を説得する難しさ
相談者の話を聞くと、このパピヨンは12歳ほどでもともと相談者の親戚の家で飼われていましたが、その家でも全く世話されなかったため、高齢の両親が引き取ることになった経緯があるとわかりました。 パピヨンが過ごしたこれまでを思うと、スタッフは苦しさと悔しさで胸がいっぱいになります。しかし、アイドッグ・レスキュー隊のスタッフは迷わず引き取りを決めました。そして、お世話をしながら必ず幸せにつなげることを心に誓いました。 スタッフは相談者に対し「もっと早く相談して欲しかった」と伝える一方で、相談者のここに至るまでの努力や葛藤も痛いほどよく理解できました。なぜなら、スタッフもまた「世話しないのに手放さない」飼い主の説得に向き合い続けているからです。
優くんは視力をほぼ失っていた
保護後、パピヨンは「優くん」という名前をもらい、しばらくの間、預かりボランティアさんの家で過ごすことになりました。これまでひどい扱いを受けてきたにもかかわらず、初日から屈託のない笑顔を見せ、新しい環境にもすぐになじみました。 他の犬との協調性も抜群。吠えることはなく、積極的に匂いをかいで挨拶し、この家にいる他の犬や散歩途中で出会う犬たちの間でもすぐに人気者に。ただし、12歳というシニア犬であり、持病を抱え、視力をほぼ失っています。そのため、部屋の壁や家具にぶつかることがよくありました。