「JW アンダーソン」はフツーの70年代ガールのスタイルを誇張 リニア型の消費に一石
実際、厚手の布地を使ったオーバーサイズのポロシャツに、ヘリンボーンのジャンパースカートを合わせたスタイルは、確かに可愛らしくて若々しい。こうしたスタイルの価値を訴えるべく、まるでチャンピオンベルトのように燦然と輝くリボンベルトをウエストに飾った。ウエストマークは、トレンチコートを真っ二つに解体して上半分だけを纏ったようなプルオーバーや、シフォンを使ったドレス、グレーなど地味な色合いのニットなどにも多様。Vネックニットを胸元で摘んでドレープを生み出したようなスタイルは、先にメンズと共に発表した24年プレ・フォール・コレクションにも通じるアイデアだ。
ジョナサンはコロナの前から、自身のアイデアが枯渇しないように、小出しにして、使い捨てず、発展させながら何度も使っている。スタンスのみならず、今回はクリエイションそのものまで。ジョナサンは新しいものばかりを追い求め、あっという間に消費して、次なる未知を探し続けるリニア型の消費に一石を投じ続けている。