<鈴村健一>テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編 蛇柱・伊黒小芭内の魅力 蛇の呼吸にリアリティーを
「僕のことを知らない人に『声優をやっているんです』という話をする時、『鬼滅の刃』で蛇柱を演じていると伝えると、『すごい!』となるのですが、僕の心持ちとしては『まだそんなにしゃべってないんだよな』とずっと引っかかっていて。そんな中、今回戦うシーンも描かれて、今後は『柱稽古編をご覧ください』と堂々と言えるなと。やっと胸を張って『鬼滅の刃に出ています』と言える。そんな気持ちでしたね」
第1話の伊黒の戦闘シーンは、個人的に「感慨深い」ものがあったと明かす。第1話には、鈴村さんが代表を務めるINTENTIONの若手声優の内田修一さんが、鬼殺隊の隊士役で出演していた。
「伊黒は、あまりフレンドリーなタイプではないと思うのですが(笑い)、それでも僕は一緒に戦えたことがうれしくて。僕は温かく見守る気持ちで現場にはいたのですが、伊黒にそれが乗らないように演じました。そのあたりも自分的には結構印象深い第1話でしたね」
◇伊黒のネチっこさが面白い 蛇の呼吸のこだわり
伊黒は、ネチネチとした口調が特徴で、「竈門炭治郎 立志編」の柱合会議前の裁判シーンで炭治郎と禰豆子と対面した時も「信用しない」と連呼していた。「遊郭編」でも、戦いを終え、満身創痍(そうい)の音柱・宇髄天元(うずい・てんげん)に嫌みを言うような、癖のあるキャラクターだ。鈴村さんは「ネチっこいのは面白いですよね」と魅力を語る。
「『竈門炭治郎 立志編』の柱合会議前の裁判のシーンでは、僕は柱のメンバーが悪い人に見えたんです、『禰豆子のことを殺すべきだ』みたいなことを言っていたり、非情の集団のような印象がありました。その中でも伊黒は特にネチっこかった感じがして(笑い)。演じる目線では『これは面白い役をいただけた』と思って、伊黒を好きになりました。ストーリーが進むにつれ、『こんな一面があるんだ』と見えてくる」
そんな伊黒ゆえに、蛇の呼吸の表現も「難しい」と感じているという。