大谷翔平、エンゼルス2年目の言葉と軌跡 一刀流
<SHO-BLUE ワールドチャンピオン特別編> 日刊スポーツでは今季、毎週火曜日に「SHO-BLUE」と題した企画を掲載してきた。 ドジャーブルーの青きユニホームで挑戦を続ける大谷翔平投手(30)の世界観に、さまざまな角度からアプローチしてきた。「SHO-BLUE WORLD CHAMPION 特別編」として、夢の1つ「世界一」を実現させた大谷選手のメジャー挑戦7年間をあらためて読み解いていく。右肘手術のリハビリ期間でもあった19年の大谷選手の言葉を集めた第4回は「エンゼルス2年目 一刀流」。 ■19年大谷語録 「僕はもっと早くいくつもりでもちろんいきますし、それが普通のことなので。もう1回、自分の役割と場所をしっかり勝ち取れれば良い。ワクワクもしている。メンバーもかなり代わって、監督も代わった。去年と全く違う」(=2月13日、メジャー2年目のキャンプイン。18年10月のトミー・ジョン手術の影響で5月復帰が見込まれた) 「野球人生を語るにはまだまだ序章。その前段階として、平成があったのかなと思う。新しい元号になって、これからが本番だと思っている。自分の力をもっともっと高くもっていけるように、毎年、そういう年にしたい」(=4月25日、平成で最後のメディア囲みで新時代への思い) 「勝ちたいですし、優勝したいですし、それは去年、全然できなかったので、その1点かなと思います。チームの力になっていないというところでは、気持ち的には多少焦りみたいなものはある」(=5月1日、復帰戦前。勝利に対する言葉に力がこもった) 「ケガが良くないというのを、ケガをする度に理解する、深めていくっていうのが唯一良いことくらい。もしかしたら何年後かに、良かった(と思える)ことがあるかもしれないですけど、今の段階ではないですね」(=5月7日、219日ぶりに打者復帰) 「手術する前もしっかり打ててましたし、打撃に関しては感覚がしっかり戻れば、十分同じような感じでいけると思いましたし。ただ、配球も含めて攻め方というのも変わってくるので、自分も進歩しないと、去年と同じかそれ以上の成績というのは、去年と同じことをやっていては出ないかなと思います」(=5月13日、229日ぶり本塁打) 「この舞台で対戦できたことがすごく大きい。やっぱり特別なもの。岩手県の花巻というところから2人出たことは、ちょっと意味がある。岩手県で野球やっている子どもたちも、楽しみに見てくれていたりするかもしれない。そういう意味ではすごく良かった」(=6月8日、メジャー初対戦となった花巻東の先輩・菊池から本塁打) 「単純にすごいうれしいなと。偉大な先輩がいる中で初めて達成できたというのは、自分の自信になる」(=6月13日、日本人メジャー初のサイクル安打。チームのレジェンド、プホルスに敬意) 「感謝はもちろんしています。まだまだ先が長いので、今日1日で終わるわけではないですし、シーズンをいいものにできれば、もっともっと、いいところが見せられる」(=6月16日、メジャーで初めて父の日にプレー) 「終われば、その先に進んでみれば、1つの過程としてあるものだなとは思っているので。もちろん(甲子園出場も)大事なところではありますけど、これからも頑張って欲しい。甲子園が全てだと思って取り組むのが高校球児」(=7月27日、夏の岩手大会決勝で敗れた大船渡・佐々木朗希=現ロッテ=にエール) 「かかるプレッシャーも大きいし、責任も大きいし、純粋に楽しんでいるだけではいられないとはもちろん思ってます」(=8月1日、今季2戦目の登板前日に。投手復帰初戦は1回途中5失点。本音を吐露) 「かなり久々の感じでした。ほっとはする。焦りというか、求められている仕事ができないというのはあった。打てなかったという打席の方が収穫はある」(=8月18日、メジャー最長アーチなしを74打席で止めた) ■19年の歩み ◆5月7日 18年10月1日に受けた右肘内側側副靱帯(じんたい)の再建手術(トミー・ジョン手術)から218日。敵地タイガース戦に「3番DH」で打者復帰。4打数無安打、2三振1四球も初打点を記録。 ◆5月13日 敵地ツインズ戦で左中間にシーズン26打席目で1号本塁打。投手としてのリハビリも再開。 ◆6月8日 マリナーズ戦で、花巻東の先輩・菊池雄星とメジャー初対戦。第3打席で左中間に本塁打を放つなど、3打数2安打。 ◆6月13日 敵地レイズ戦で、日本人メジャー初のサイクル安打を達成。 ◆6月26日 本拠地エンゼルスタジアムで、右肘の手術後では初めてのブルペン入り。43球を投げた。 ◆6月27日 アスレチックス戦で10号。メジャーでは日本人5人目の2年連続2ケタ本塁打に到達。 ◆6月28日 アスレチックス戦で4打数3安打。打率3割に乗せる。 ◆8月18日 ホワイトソックス戦の第3打席までメジャー最長74打席アーチなしも、第4打席で16号本塁打。 ◆8月30日 レッドソックス戦でメジャー最多の1試合4三振。8打数無安打。 ◆9月3日 敵地アスレチックス戦で16打席ぶり安打。 ◆9月13日 シーズン終了前ながらエプラーGMから勧められ、ロサンゼルス市内の病院で左膝の二分膝蓋(しつがい)骨の手術。残りのシーズンは欠場となった。