広島・秋山が意地のマルチ! 9月3度目4連敗、4位転落も「見に来てくれているファンがいる」
◇セ・リーグ 広島2ー8巨人(2024年9月20日 マツダ) 広島は20日、巨人戦(マツダ)に2―8で敗れ、9月3度目となる4連敗で7月11日以来の4位転落となった。クライマックスシリーズ(CS)進出が危ぶまれる状況の中、秋山翔吾外野手(36)が2安打1打点と意地を見せた。3戦連続安打&リーグ2位タイとなる今季45度目のマルチ安打と奮闘。「見に来てくれているファンがいる。最後、ひと踏ん張りできるか」。チームをけん引するベテランが残り12試合に向けて覚悟を示した。 秋山の底力が光った。0―4で迎えた4回無死からの第2打席。2ストライクから先発左腕の井上が投じたスライダーを中前に運んだ。反撃の起点をつくれば、1―8の7回2死二塁からの第4打席ではカウント1―2から4番手・平内のスプリットを捉え、中前適時打を放った。 「(7回の打席は)林が(1軍に)上がってきて、すぐ安打を打って、それを形にするということで彼の安打を無駄にしたくない気持ちはあった」 大差をつけられ、苦しい状況でも、百戦錬磨のベテランは集中力を研ぎ澄まし、一打席、一球たりとも無駄にはしない。「ファンの人たちも応援のしがいがない状況だと思うが、見に来てくれているファンがいる。雑に終わるのは嫌」。この日の安打はいずれも追い込まれてからのものだった。3試合連続安打&リーグ2位タイとなる今季45度目のマルチ安打を記録するなど孤軍奮闘した。 チームは大苦戦している。4連敗で9月は3勝14敗と大失速。優勝争いから脱落し、CS進出も危ぶまれる窮地に追い込まれている。残り12試合で真価が問われるだけに、覚悟を新たにした。 「勝っていかないと得られるものは少ない。ここからは一試合でも多く勝つというところで、準備だけは抜かりないようにしたい。最後、ひと踏ん張りできるかというところ」 9月戦線は優勝争いの重圧がのしかかる中、移動ゲームや、ナイターからのデーゲームが重なるなど、体力的にも厳しい状況。だが、言い訳にはしない。 「監督、コーチもコントロールしてくれているところがある。9月は痛い、かゆいとか、移動が多いとか、そういう中でも踏ん張って結果を出し続けることが、コントロールしてきてもらったことへの恩返しになる」 苦境を打破すべく、反骨心を胸にチームの先頭に立ち続ける覚悟だ。「勝敗は自分が受け止めればいい。明日は勝つぞと思って、みんな球場に来てもらいたい」。そう新井監督もファイティングポーズを崩さない。指揮官の思いをベテランが結果で応えてみせる。(長谷川 凡記)