発熱しても毎日入場 万博おばあちゃんが唯一行けなかったパビリオン
愛知、中国・上海、韓国・麗水(ヨス)の各万博に毎日通い「万博おばあちゃん」として話題になった愛知県瀬戸市の山田外美代(とみよ)さん(75)。山田さんが万博のとりこになったきっかけは地元で開催された「愛・地球博(愛知万博)」で、185の会期中、毎日通いました。2005年9月25日の最終日にも会場を訪れ、別れを惜しみました。大阪・関西万博も会場近くに住宅を借り、全期間入場を目指します。(2005年9月26日・愛知県版、年齢などは当時のまま) 【写真でみる】万博おばあちゃんが唯一行けなかったパビリオン ◇ 185日の会期の皆勤賞、通算208回の万博入場――。地元では一躍有名人となった愛知県瀬戸市の主婦、山田外美代さん(56)。毎日押しているシヤチハタマークタウンの「9月25日付」のスタンプを押した瞬間、周りの入場者から大きな拍手が起こり、思わず涙がこぼれた。 この日は知り合いになったベトナムやチュニジア館などのスタッフに、一緒に撮ったプリクラや日本土産をプレゼントして回った。「万博は私にとって学校。教科書なんかでは分からない、いろんな国の人と出会って会話を交わすことで得られる貴重な体験でした。きょうは私の卒業式です」 何度でも入場できる全期間入場券(1万7500円)を開幕前に購入。人気館を筆頭にすべてのパビリオン(「サツキとメイの家」を除く)を制覇し、次なる目標は全期間の制覇に変わった。決して体は丈夫でなく、手術も何度か経験した。会期中も2度、高熱に見舞われ、点滴を打って25分だけ入場した日もある。それでも「知り合いの子(スタッフ)たちから『明日も来るよね』と言われると、何としても行かなくちゃと思えてきて」。 撮りためた写真は約2万枚、CD16枚に上る。「記念の写真集を作る計画を立てています」。閉幕しても、山田さんの“バンパクライフ”は終わらない。今年冬には2010年に万博を開催する上海の下見にも訪れる予定だ。【樋岡徹也】