イスラム組織ハマスによる奇襲攻撃から1年が経過する前夜も、イスラエルによるガザへの攻撃は続いた。イスラエル軍は6日、市民らが避難するモスクを学校を空爆し、ハマスが運営するガザ当局の広報によると、数十人が死傷した。 この攻撃についてイスラエル軍は「ガザ中央部の学校とモスクに潜伏して活動していたハマスのテロリストに対する正確な攻撃」と発表したが、ハマスはこうして見方を否定。 さらにパレスチナ保健当局は5日夜以降、このほか少なくとも20人がガザ北部で死亡したと発表した。イスラエル軍は数カ月ぶりに同地域に戦車を派遣し、住民に退去を求めた。 イスラエルの集計によると、2023年10月7日に起きた奇襲攻撃でハマスは市民ら1200人を殺害し、約250人を人質にした。 一方ガザ保健省によると、イスラエルによるその後のガザへの軍事攻撃で約4万2000人のパレスチナ人が死亡した。またガザの住民230万人のほぼ全員が自宅を追われ、食料危機を引き起こした。国際司法裁判所では大量虐殺の疑いがかけられているが、イスラエルはこれを否定している。 イスラエルはまた、5日夜から6日朝にかけてレバノン首都ベイルートの南郊を攻撃。これはイスラエルが先月、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラに対する軍事作戦を強化して以来、首都に対する最も激しい砲撃となった。 イスラエルは、空軍がヒズボラの武器貯蔵施設およびテロ関連施設に対して「一連の的を絞った攻撃を実施した」と発表。レバノン当局は、攻撃を受けた施設や被害状況について直ちに明らかにしなかった。 ヒズボラとイスラエルの戦闘が始まってほぼ1年、レバノンでは2000人以上が死亡した。レバノンの保健省によると、そのほとんどは過去2週間以内に死亡した。