【速報】和歌山・白浜町の海で“水難事故を偽装”し妻殺害 夫側の控訴を棄却 2審も懲役19年判決「犯人性の結論に誤りはない」妻と不倫相手との間で“板挟み”の状態 保険金得る目的も 大阪高裁
2017年に和歌山県白浜町の海岸付近で、保険金を得るなどの目的で、水難事故に見せかけて妻を殺害したとされる男の控訴審。3月4日、大阪高裁は男側の控訴を棄却しました。 1審・和歌山地裁の判断過程の一部に不合理な点があると指摘したものの、「事件性・(被告の)犯人性の結論において誤りはない」と断じました。 【画像を見る】亡くなった野田志帆さん
1審判決によりますと、野田孝史被告(34)は2017年7月、和歌山県白浜町の海岸付近で、妻の野田志帆さん(当時28)を、何らかの方法で体を押さえつけ水に溺れさせて殺害しました。
妻の体内から相当量の砂
事件当時、野田被告は手を挙げて叫ぶなどして周囲に助けを求め、“トイレに行って帰ってくると志帆さんが顔を下にして水面に浮いていた”と説明。 しかし当時、海は荒れていなかったのに、搬送先の病院での吸引処置では、志帆さんの胃の中から相当量の砂が出てきました。一方で解剖時、肺や気管の中には砂は確認されませんでした。
「不倫解消/離婚という両立不可能な約束をする中で関係を清算しようとした」「死亡保険金を得る目的もあった」1審は懲役19年判決
1審の裁判で野田被告は「殺していません」と無罪を主張。弁護側も、事故の可能性を主張しました。 しかし和歌山地裁は2021年3月の判決で、志帆さんの肺や気管からは砂が見つからなかった点について、「意識がない状態で砂混じりの海水を飲み込んだなら、気管の入り口にある喉頭蓋が作用せず、肺や気管にも砂が入ったはず」とする解剖医の見解を支持。 志帆さんは、意識がある状態で浅瀬で体を押さえつけられたと判断した上で、志帆さんが溺れた際、第三者は現場付近にいなかったことから、野田被告による殺害と断じました。 動機面については、「不倫相手の妊娠が発覚し、志帆さんには不倫解消や中絶を約束する一方、不倫相手には志帆さんとの離婚を約束するなど、両立不可能な約束をする中、志帆さんを殺害し両者との関係を清算しようとした」と指摘。 加えて、事件前に志帆さんを被保険者とする死亡保険を追加で契約し、事件前日にインターネットで保険金の支払いについて調べていた点などから、「保険金を得ようとする目的もあった」としました。 そのうえで、事前に「溺死に見せかける」などの検索もしていた点などから「計画性も明らか」と糾弾。野田被告に懲役19年を言い渡しました。