戦禍でDV加害者増、武器使用も ウクライナ内相「心のケア急務」
【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナのクリメンコ内相は3日、共同通信のインタビューに応じ、今年5月時点のドメスティックバイオレンス(DV)の加害者数が前年同時期と比べ、14%増加したと明らかにし「兵士と市民双方のメンタルヘルスのケアが急務だ」と語った。DVに武器が使われ死傷者が出るケースが続出しているとし、不足するカウンセラーの養成で日本の支援に期待を寄せた。 2022年2月に始まった侵攻は長期化し、心的外傷後ストレス障害(PTSD)をはじめ心の健康を損ねる人が増えている。クリメンコ氏は「武器を使って、意見を通そうとする兵士や市民もいる」と述べ、深刻化するDV被害に強い懸念を示した。 クリメンコ氏によると、武器使用を伴うDVは前線からの距離を問わず全土で起きており「最も平和な州の一つとみられていた場所でも、数カ月前に市民が手りゅう弾を爆破させ複数の死傷者が出た」と説明した。
内務省によると、DV申告件数は国外へ避難していた人の帰還が進んだ23年に29万件を超え、前年比20%増だった。