『ACMA:GAME アクマゲーム』は“欲望”との向き合い方を問う 間宮祥太朗が冷静沈着な男に
裏で糸を引いているのは正体不明の男・崩心祷(小澤征悦)
しかし、その悪魔の力がフェイクだと見抜く照朝は冷静沈着で洞察力に優れ、今まで海外でどれだけの局面を潜り抜けて来たのだろうと、こちらの想像を掻き立てる。火災報知器が作動したのにスプリンクラーが反応しなかったことや、パソコンがコンセントに繋がっているのにもかかわらずバッテリーを消費していることから、このゲーム会場である部屋自体に水道や電気が通っておらず、部屋丸ごとどこか氷点下エリアに移動されたのだと気づく。会場ごと自分に有利なようにいつの間にか移動させてしまうという、手段を選ばぬ丸子もかなりクレイジーだ。 第1話から本作は“欲望”との向き合い方を問う。生前、清司は「満たされないのが欲望で、それを満たそうとするから争いが起こる」と照朝に話していたが、まさに欲望とは際限のないもので、だからこそ「アクマゲーム」が絶え間なく開催され、99本の「悪魔の鍵」は今も世界中に散り散りになって存在しているのだろう。 最終的に照朝は今は亡き父親の子を想う親心と、その思い出を捨てられずずっと大切にしてきた自分自身に助けられた形になったが、実際には特別な力を秘めた鍵なんかよりも、この極限状態でも“自分は一人じゃない”と思わせてくれる特別な誰かとの繋がりの方が生きる希望になり得るのかもしれない。しかし、なぜそんな欲望と適切な距離感で付き合えていた清司がこの鍵を持つことになったのか不思議だ。 さて、今回の丸子しかり、全ては裏で糸を引いている正体不明の崩心祷(小澤征悦)という男の仕業のようで、彼はこれからも何かにくすぶり、現状に満足していない者たちに悪魔の鍵を授け、そして照朝の元に刺客として送り込むようだ。照朝の前にどんな欲望に取り憑かれた対戦者が現れるのか、照朝の旅の続きを見守りたい。
佳香(かこ)