トヨタがマルチパスウェイのカギとなる新エンジンを公開
電動化時代のエンジンの使われ方を想定
トヨタ自動車は2024年5月28日、よりコンパクトで高効率な次世代の小排気量4気筒エンジンを発表した。 【写真】トヨタの未来を担う次世代エンジンの詳しい姿はこちら!(6枚) 新エンジンは、トヨタがスバル、マツダと共同で開催した次世代パワートレインの技術説明会「マルチパスウェイ ワークショップ」で発表された。 種類は1.5リッター直4自然吸気エンジンと1.5リッター直4過給エンジン、2リッター直4過給エンジンの3種類。いずれもコンパクトな設計を特徴としており、1.5リッター直4自然吸気エンジンについては、既存の1.5リッター直3エンジンより体積が10%、全高が10%低減。1.5リッター直4過給エンジンは、既存の2.5リッター直4自然吸気エンジンより体積が20%、全高が15%低減。2リッター直4過給エンジンは、既存の2.4リッター直4過給エンジンより体積が10%、全高が10%低減している。 いっぽう出力や熱効率(燃費)に関しては、1.5リッター直4自然吸気エンジンと2リッター直4過給エンジンについては、出力、熱効率ともに従来エンジンより向上。1.5リッター直4過給エンジンについては、出力は同等で熱効率がやや低下しているものの、今後の環境規制で既存のエンジンの大幅な出力ダウン(約-30%)が想定されることから、それに代わるユニットとして期待が寄せられている。 トヨタの中嶋裕樹副社長兼CTOによると、同エンジンは電動化時代のエンジンの使われ方を想定したもので、これからはより電気リッチ(バッテリー容量の増大とモーターの高出力化)となることから、エンジンの側は高トルクの発生や高回転まで回すことが不要となり、それによりショートストローク化が可能となり、エンジンのコンパクト化と嵩(かさ)の低減を実現できたという。 また開発に際しては、シミュレーション技術を用いたモデルベース開発を推進。複数のボア×ストロークの組み合わせやインジェクターの設置位置などを検討することで、燃焼効率の悪化といったビッグボア、ショートストロークによるネガティブも払しょくしたとしている。 トヨタではこうしたエンジンの開発を通して、カーボンニュートラルに貢献する多様な選択肢を提供。未来のエネルギー環境に寄り添ったエンジンの進化に挑戦していくとしている。 (webCG)
webCG